時計仕掛けのロマック

横浜DeNAベイスターズ応援ブログ。外野席ではなく内野席から見るようなブログ。

【読売ジャイアンツ編】オレが戸柱なら、ギャレットはこうやって抑えるね。

三つ星や五つ星には縁のない深夜食堂。常連客の小道(宇野祥平)が、本当においしいものを食べさせようと、マスター(小林薫)のところに料理評論家の戸山(岩松了)を連れて来てしまう。グルメの知識をひけらかす戸山のせいで、店は嫌なムードに。

そこにやって来たのが、今や絶滅寸前の流しの歌手・ゴロー(あがた森魚)。週一回やって来る彼は、いつものバターライスを食べ、『函館の女』を熱唱する。戸山はその時から毎週やってきてバターライスを注文するのだが、今度はゴローの方が来なくなった。

(ドラマ「深夜食堂」・公式サイトより抜粋)

 

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深夜のブログ更新は空腹との戦いだ。テレビを付けると小林薫が温かいご飯にちょいとバターを乗せてバターライスを作っていた。美味しそうにバターライスを食べるおじさん。もうその光景を見ただけでいたたまれなくなり、とりあえず台所へ向かいバターライスを作ってしまったので昨日のブログ更新はストップしたが、もう春季キャンプまであと10日である。さっさと巨人と広島の戦力分析を行ってしまおう。

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読売ジャイアンツの戦力分析】

今オフはストーブリーグの主役だったジャイアンツ。山口俊森福允彦陽岱鋼のFA移籍に加え、吉川光夫石川慎吾柿澤貴裕がトレードで加わり、4番候補マギー、クローザー候補カミネロと新外国人助っ人の補強にも力を注いだ。彼らの補強により、おそらく投打とも様々な指標が改善されると見込まれる。例えば山口の加入で先発投手陣のQS達成試合数は増加する可能性が高く、昨年のイニング別における失点で、6,7回の失点が一番が多かったことを考えると森福の加入は非常に大きな意味をもたらす。マギーの加入は膝に故障を抱える村田修一阿部慎之助の負担軽減という効果にも期待でき、一番打者が固定できなかったことを思えば陽岱鋼を一番で使えるという選択肢が出来たことで、得点力アップに繋がるだろう。という風に、新戦力が額面通りに機能すれば優勝候補筆頭のチームであることは間違いない。しかし、昨年のホークスもほとんどの野球解説者が口を揃えて優勝間違いないと評していたが、結局最後は優勝を逃している。高橋監督のマネジメント次第では、「これだけ補強したのに」優勝を逃す、といったことも十分考えられるだろう。

昨年はベイスターズ相手に10勝14敗1分と負け越した。特に投手陣の成績が悪く、チーム別防御率セ・リーグワーストの4.21と打ち込まれた。打者別に見ると筒香嘉智には打率.319・本塁打7本、ロペスには打率.330・本塁打8本、梶谷隆幸には打率.353・本塁打4本と主軸打者に滅多打ちされている。クライマックスシリーズの直接対決でもこの3人がホームランを打って試合を決めていることもあって、今年は広島だけでなくDeNAも重点的に対策を練ってくることだろう。

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【投手陣】

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これだけの先発候補がいると、ローテーションの組み方も少し変わる。相手チームの相性に合わせて先発投手を変えてくることも可能だろう。例えば、大竹寛ベイスターズカープ相手には結果を残していないが、タイガース相手になると防御率2.25、被打率.209と抜群の結果を残している。高木勇人も昨年は5勝9敗の防御率4.31とシーズン通しての活躍は出来なかったが、カープ戦では防御率2.08と安定していた。調子や相性を見ながら先発→登録抹消→中10日で先発と柔軟な起用が出来るのは強みである。

さきほど触れたように昨年の巨人は6,7回の失点が一番多かった。西村健太朗の故障、山口鉄也の不調もあり、ミドルセットアッパーが上手く機能しなかったことが原因だが、森福允彦が加わり、西村健太朗も故障から復帰したことで、今年は少なからず改善されるはずである。また、宮國椋丞戸根千明田原誠次といった選手も力のある投手だけに、巨人戦では早い段階で得点しないと、どんどん好投手を送り込まれる展開になるだろう。

新戦力でいえば、カミネロがMAX164キロの触れ込みで澤村拓一との守護神争いに加わる。 ストレートがとにかく速く、平均球速159キロは昨年のメジャーリーグ第三位であり、カットボール、スプリットも150キロ以上計測することもある投手である。球威はメジャー屈指のレベルだが、制球面で課題があり、メジャー時代の四死球率は5点台近い。身長193センチ、体重111キロと体格も大柄であり、日本で登板してもストレートの球威を考えたら被打率は悪く無さそうだが、四球がきっかけで崩れる可能性があると守護神としては起用しづらいのではないかと思う。

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【野手】

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捕手はなんだかんだで小林誠司で固定されそうだ。リード面、捕球面で酷評されることの多い小林だが、昨年スタメンで出場した129試合の結果は44勝45敗・防御率3.22・勝率.341とまずまずの結果は残している。ちなみにカープ石原慶幸はスタメン83試合で44勝19敗・防御率2.65・勝率.530なのだから、投手陣に差があるにしても、捕手がいかに大事かよく分かるデータである。

新加入のマギーに関しては、楽天時代と印象は大きく異なるようである。怪我の影響で、楽天時代のような長打力は無くなり、4番候補というよりは下位打線にいると怖いタイプのようである。それでも、日本の配球を熟知しており、出塁率も高いことを考えると十分怖い打者になるだろう。

実は昨年、セ・リーグで一番犠打の数が多かったのは巨人だった。チームで一番バントしたのは橋本到の20本であり、村田修一坂本勇人もバントを記録するなど、チーム全体でバントに取り組んでいたようである。盗塁の数はリーグ4位(62個)であり、併殺打の数はリーグ3位(100本)だったことを考えると、昨年の巨人は足を使った攻撃を積極的にしない傾向があった。それは陽岱鋼が加入した2017年もおそらく変わらないだろう。

陽といえば、2013年の盗塁王であり走塁技術も一流、積極的な打撃も魅力の選手である。そのため、バントを多用しない攻撃的なスタイルに方向転換する可能性もあるが、昨年の陽の盗塁数は5個にとどまっており、盗塁成功率は45.5%と盗塁数、盗塁成功率とも過去5年間で最も悪い成績だった。一方犠打の数は7個で、犠打の数が多いファイターズの中では飛び抜けた数ではないが、過去に38個の犠打を記録し、昨年も犠打成功率100%と実はバントの技術も高いことがわかる。こういった特徴から、陽を切り込み体調の1番ではなく、つなぎの2番打者として起用してくることもありえるのではないか。

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しかし、ベイスターズが一番警戒すべきは何と言ってもギャレットだろう。

www.youtube.com

打率.258の選手がベイスターズ戦では打率.358・本塁打10本と打ちまくり、ハマスタになるとさらに強烈で、打率.467、得点圏打率.462と手がつけられない状態だった。本塁打も全てハマスタだったので、強烈なインパクトを残したギャレットだったが、東京ドームで行われたクライマックスシリーズでは11打数0安打5三振と全くの別人になっていた。試合前にしっかり対策を練った戸柱と光山コーチ、スコアラーの勝利だったが、実際にシーズンとCSでどう配球を変えたのか検証してみた。

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【ギャレットの安打マップ】

©Baseball LAB (http://www.baseball-lab.jp/)

(対左)f:id:baymeshi:20170120073544p:plain(対右)f:id:baymeshi:20170120073618p:plain

安打マップとは?

投球コース・高さのデータから対象の打者が安打を放ったゾーンを抽出し、グラフィックで表現した。赤は多く安打を打っているゾーン、青はあまり打っていないゾーンを表している。

来日する際、ギャレットの一番の特徴は確かハイボールヒッター」だった。実際、ギャレットが一番得意としていたのが左右関わらず「真ん中やや高め」であり、ハマスタで打たれた10本のほとんどが失投が高めに浮いてしまうケースだった。コース別打率で見ると、ギャレットは内角低めが一番苦手なコースなため、インコースに厳しく攻めようと思ったボールが真ん中に入り打たれるケースが多かったのではないかと推測する。

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【ギャレットの球種別安打割合】

©データで楽しむプロ野球http://baseballdata.jp/

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ギャレットの得意な球種はストレートやシュートであり、逆に苦手な球種はカーブ、チェンジアップといったブレーキング系の球種だった。確かにクライマックスシリーズでは今永や石田のチェンジアップやカーブといった球種に翻弄されていた記憶がある。ストレートに強く、ブレーキングボールに弱いというデータがはっきり残っているのが特徴だろう。

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【ギャレットのカウント別打率】

ギャレットは選球眼に関して平均的な打者のようである。出塁率から打率を減算した数値で、「四死球によってどの程度出塁したか」を測るための指標であるIsoD(数値が0.07から0.08あれば比較的優秀とされる)は0.069をマークしている。特徴としてボール先行の打者有利のカウントでは4割以上の打率を叩き出す傾向が強く、一番打率が低いカウントは「2ストライクノーボール」で35打数2安打・打率は.057と一気に落ちる。この結果は至極当たり前ではあるが、ギャレットの場合は「フルカウント」でも打率.267・本塁打5本と打っており、「2ストライク1ボール」のカウントも打率こそ.135だが、本塁打4本と狙い球をしっかり打っている。また、「初球打ち」にも強く、打率は.382と当たっている。ボール先行になると打率が急上昇するので、早いカウントで追い込むことがギャレット攻略に繋がりそうである。

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【ギャレット攻略法・結論】

以上のことをまとめると

・ストレート系の球種に強く、カーブ、チェンジアップなどのブレーキング系の球種に弱い。

・コース別では内角低めが一番弱く、真ん中高めに入ると打たれる可能性が高い。

・ボール先行になると高確率でヒットされる。

ストライク先行では凡打になる可能性が高い。ただし、甘く入ると長打を打たれることもある。

初球の入り方が極めて重要である。また、フルカウントでも結果を残している。

・対左投手の打率は.228である。

 

自分がもしキャッチャーなら、カーブ系の球種で投手有利のカウントを作り、ストレート系の球種で凡打を誘う配球を考える。ポイントは球速差であり、今永、石田以外にも砂田毅樹田中健二朗濱口遥大と球速差で勝負できる投手は揃っているため、今年は昨年のような結果には終わらないのではないか。ギャレット対策にも注目である。

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