時計仕掛けのロマック

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【新外国人】アウディ・シリアコ選手の分析と起用法を考える。

春季キャンプのメンバーが23日発表された。私の予想は果たして当たったのだろうか。

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よく見てみると今永昇太の名前を忘れていた。予想以前の問題である。主力メンバー、期待の若手選手は順当に宜野湾入りの切符は手にしたようだが、事前に1軍入りを明言されていたルーキー水野滉也や手術明けの高城俊人宮崎敏郎らは2軍からのスタートとなった。高城や宮崎、あと石川雄洋やベテラン勢はコンディションに問題なければ実戦練習が始まるキャンプ中盤から一軍に合流するだろう。水野に関しては、合同自主トレでは問題無さそうだったが、何らかの理由があり1軍入りを見送られた。大学最後の試合となった神宮大会では本調子からほど遠い投球に終わったが、この時は試合前に高熱を出していたようである。まだ何も情報がないので要因は不明だが、水野は140キロ後半まで出せるストレートとスライダー、シンカーを軸にした変化球のキレが生命線の投手なだけに、現段階ではMAXで投げられる状態ではないということだろう。キャンプはブルペンでの投球練習よりも下半身、体幹強化に時間を充てるかもしれない。

新外国人選手も全員一軍スタートになったようである。パットン、クレイン、ウィーランドメジャーリーグでもそれなりの実績があるためファン、首脳陣も期待も大きくかけられている様子だが、三塁手候補として獲得したシリアコに関しては活躍を懐疑的で見るファンが多い印象がある。独立リーグからNPB入りを果たした外国人助っ人は他球団でも何名かいたが、多くの選手が独立リーグ時代のような活躍を見せることなくユニフォームを脱ぐ結果になっていることが一番の理由だろう。シリアコはテスト入団という形で高田GMの目に止まった選手だが、当然独立リーグ出身の外国人助っ人が苦戦を強いられている事実は把握した上での支配下契約のはず。また、シリアコが「保険」という形での獲得ならさらにメジャークラスの三塁手獲得もあり得たが、その動きも無さそうだった。

こういった経緯から個人的にシリアコ選手に関心が湧き、

ひょっとしたら活躍が期待できるのではないかと思い、分析と起用法を考えた。

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アウディ・シリアコ 1987年6月16日(29歳)

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【人 物】

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ドミニカ共和国 サンペドロ・デ・マコリス州サンペドロ・デ・マコリス出身。

州都であるサンペドロ・デ・マコリスは多くの野球選手を輩出している街で、サミー・ソーサ、ロビンソン・カノといった選手もこの街の出身である。偶然だが、エリアンもサンペドロ・デ・マコリス出身である。年齢は2歳エリアンが上だが、ドミニカから13915キロ離れた土地でまさか同じ街の出身者がいるとは思わなかっただろう。ちなみに兄のペドロ・シリアコも野球選手であり、レッドソックスブレーブスで一時期レギュラークラスの扱いになっていた時期もあった。

一方弟のアウディは、デトロイト・タイガース傘下のチームに所属するなど主に3Aクラスで活躍したが、メジャーリーグ昇格は果たせなかった。最後に所属した3Aコロンバス・クリッパーズは2014年、2015年と2年在籍しており、今オフ日本球界に復帰した村田透や、元西武・C.C.リー、元日ハム・モルケンらとはチームメイトだった。そのこともあり日本球界についてはある程度知識や興味はあったのかもしれない。

2016年はBCリーグ石川ミリオンスターズに入団。主力打者として活躍し、打率はリーグ8位、本塁打2位、打点5位と打ちまくった。特に故障も無さそうなので、BCリーグの好成績から打撃のコツを掴んでいれば大きな掘り出し物になると同時に、独立リーグの選手にも希望を与えられる存在になれるだろう。

【特 徴】

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シリアコの過去三年間の成績を元に2017年の成績を予想した。

打率、本塁打、打点の予想成績は、3A時代の平均を元に2016年のセ・リーグ規定打席(443打席)で換算したものである。

打撃面での特徴としては、

①三振が多い打者である。

②四球を選ぶタイプの打者ではない。

③3A時代はそれほど長打力を発揮できる打者ではなかった。

という点があげられる。

BCリーグでは三振する前にヒットを重ねていたこともあり三振率は大幅に改善されたが、3A時代は三振率が20%前後となっており、昨年で言えばヤクルト・バレンティン(21.6%)、広島・新井貴浩(19.7%)といった打者に近いため、ミート技術に関して自信のあるタイプではなさそうだ。また、BCリーグに入団後も四球率は6~7点台となっていることから、比較的早いカウントからバットを振りにいくタイプであると考えられれる。選球眼に関しても自信があるタイプの打者ではないだろう。

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3A時代の打撃はコースに関わらず強振している。梶谷のようにボールを強く叩く事を意識してスイングするといった印象で、中日・ビシエドのような生粋のホームランバッターではないが、外角球でも芯で捉えればスタンドインするだけのパンチ力はあるように感じる。

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こちらは昨年の石川ミリオンスターズでの打席。二球目のカーブにタイミングが合わず空振りするものの、もう一球カーブが続き、コースも甘かったことから狙い撃ちしたように強振した。とはいえ、ブレーキング系の球種に対しては少し苦手な印象を受ける。

守備に関しては3A時代はユーティリティプレイヤーとして出場し、2014、2015年は内野の全ポジションを守っている。キャリアのスタートは遊撃手から出場しており、地肩は強い方なのだろう。2014年も17試合で遊撃手を守っているが、守備率は.945と結果を残せなかったこともあり、ここ最近は主に三塁手一塁手を守る機会が多くなっている。ただし、2015年は三塁手で守備率.960、一塁手で.977となっており、決して守備の名手というわけではなさそうだ。

【今後の課題と起用法】

2017年の予想成績はあくまで3A時代の成績を元に作成したものなので、実際にどういう成績になるかはシーズンが始まってみないとわからないが、例えば筒香嘉智の後を打つ5番・三塁手としては迫力不足な印象は否めない。一軍クラスの投手相手に勝負するためにはミート技術、選球眼の精度を上げることが必須になってくる。積極的に振りにいくタイプの打者であることから、自分が相手投手なら外角中心の配球でボールゾーンに手を出させることを狙う。外角球に対して強振せずライト前に落とす技術や、ボールゾーンを見逃せるような対応力が身につけばそれなりの結果は残せるのではないか。あとはBCリーグNPBでは投手の平均球速も大きく変わるため、ストレートに対しての対応も大きな鍵になる。独立リーグの野球も熟知しているラミレス監督をはじめ、メジャーで実績のあるロペス、同郷のエリアンシリアコにとってはプレーしやすい環境は整っているため、前評判を覆す活躍を期待したい。

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