時計仕掛けのロマック

横浜DeNAベイスターズ応援ブログ。外野席ではなく内野席から見るようなブログ。

【4月1日】アレックス・ラミレス、現役復帰後初アーチで今季初勝利を飾る。

伏線は2ヶ月前に張られていた。

奇しくもソフトバンク川崎宗則の電撃復帰を発表した1日、ベイスターズアレックス・ラミレスを監督兼選手として支配下登録をしたと衝撃の発表を行った。2013年以来4年ぶりのNPB復帰であり、今年で43歳になるラミレス監督の決断には正直戸惑いしか無いが、「選手としてプレーすることで、より選手の目線に合わせて采配出来るのではないかと思った。」という言葉は正しいと思った。活躍するかどうかはさておき、実際にどういった場面で登場するのか楽しみである。今思えば、2月のキャンプインの時点から減量をアピールしていたのはこのためだったのか。もしかしたら、オフの間もずっと考えていたことだったのかもしれない。開幕戦前はケンタッキーフライドチキンを頬張っていたラミレス監督だが、昨年は試合前の打撃練習に参加して打球を何発もスタンドインさせていただけに未だパワーは健在であろう。昨日は石川の前に翻弄されたベイスターズ打線だが、今日は球界最年長選手・ラミレスの復帰戦を飾る白星を飾りたいところだ。

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今日の主役は何と言ってもラミレス監督だろうヘルメットを被り、ネクストバッターズサークルに登場しただけで神宮球場は異様な雰囲気に包まれていた。「その瞬間」はあっという間だった。6回表、代打で登場すると、ギルメットの初球を叩いた打球はレフトスタンド上段に飛び込む特大の満塁ホームランになった。思えば4年前、外国人選手として初めてNPB通算2000本安打を放った時も、小雨が降る4月の神宮球場だった。ヤクルトファン、ベイスターズファン総立ちでラミレス監督に拍手を送る様子はあの日と全く同じだったが、現役時代のような陽気なパフォーマンスは行わず、その後も淡々と采配をする姿には月日の変化を感じた。この日は戸柱のプロ入り初のサイクルヒット、クラインの15奪三振含む初勝利と記録ずくめの一日だったが、スーパースターの活躍の前には霞んだ気がする。一方で山田哲人ホームラン性の打球をファンがスタンド目前でキャッチしてしまうというハプニングが起こるなど、ヤクルトは運に見放された一日だった。試合後、ラミレス監督は「筒香をたまには休ませるだけの活躍は見せたかな」と復帰後初アーチを喜んだ一方で、「明日は明日。切り替えていく」といつもの言葉で締めくくった。

 

 

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よく考えたら、ブログ更新したのは4月2日だった。一日遅れのエイプリルフールだったが、書いてる時はわりとノリノリで書いていたので後悔はしていない。ここからは実際の試合内容を振り返る。

1日も曇り空の神宮球場でヤクルト戦に臨んだベイスターズだったが、先発はオープン戦苦しんだクラインがマウンドに上がる。前回の西武戦でも150キロ近い球速は出ていたのでコンデイション面では問題無さそうだが、決め球であるスライダーの精度に欠き、ボール先行の苦しい投球になっていた。チェンジアップをほとんど使用していなかったが、公式戦初登板でどういう配球になるのか注目である。

ヤクルト先発は小川泰弘オープン戦は5試合に投げて防御率6.35と物足りない成績で公式戦初登板を迎える。ファーストストライクから積極的に振っていき、先制点を奪ってクラインを楽にしたいところだ。

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昨日のお返しと言わんばかりに打線が10安打を放ち、2017年の公式戦初勝利を達成した。初回から筒香が先制タイムリーを打ったことで、オープン戦から続く重苦しい雰囲気を一気に吹き飛ばした気がする。今年こそ2番打者として固定されることを期待されている梶谷は3本のツーベースを含む猛打賞と大活躍を見せた。攻撃的2番打者として最高の仕事を梶谷が成し遂げたことで、ラミレス監督の望む打線の流れを作ることが出来たことは大きい。6回表の4点は、公式戦初登板のギルメットの立ち上がりを上手く捉えたシリアコ・田中浩の連打倉本・戸柱の犠打と右打ち佐野が選球眼の良さを見せる出塁初球から積極性を見せた桑原のタイムリと各打者が自分の持ち味を発揮し、最後に梶谷が長打で締めるという綺麗な流れを見せた。桑原、シリアコ、戸柱が今シーズン初安打を記録し、これから調子も上っていきそうだ。

先発・クラインは140キロ中盤のストレートを軸に、5回を投げて畠山の1発による1点のみに抑える好投を見せた。時折荒れ球が打者の内角に来るため、ヤクルト打線も威力あるストレートに相当手を焼いたようだ。オープン戦全く結果を残せなかったと言っていいクラインにとって、何よりも勝利という結果が欲しいマウンドのは間違いない。それは連敗が続いていたベイスターズにとっても同じだったかもしれないが、この試合の勝利で重苦しい雰囲気は一掃することが出来た。6回以降に登板した砂田、パットン、三上、山崎康晃の盤石のリレーを含めて、完勝と言っていい試合展開で白星を飾った。

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【クライン】◯

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5回を投げて98球、与えた四球は4つと制球面で大きな改善があったという感じは無かったが、オープン戦の時と比べると球速を抑えつつ丁寧に投球している様子が伺える。それでも平均して140キロ中盤を記録しており、時折内角に投げ込まれるため打者も思い切って打ちにいくことが出来なかった。配球比率を見ると、注目していたチェンジアップの比率はこの日もそんなに高くは無かったため、日本ではチェンジアップを使わずにストレート、スライダー、カットボール、シュートといった球種を主に使用していくようだ。ただし、スライダーはこの日も一番ヒットを打たれており、4回裏、畠山にホームランを打たれた後、中村のセーフティ、暴投と2アウト2塁で一気に流れがヤクルトに傾いた場面で、西浦に投じたスライダーも完璧に捉えられていた。この場面でタイムリーを許せば上位打線に繋がりズルズル失点を重ねていてもおかしくない展開だったが、かろうじてサードライナーだったので失点はなんとか防いだ。とはいえ、スライダーの精度を上げることが次回以降の登板では鍵になるだろう。f:id:baymeshi:20170402042838p:plain

前回登板の西武戦の配球内容と比較すると、カットボールの配球比率を大幅に上げ、スライダー、シュートをやや抑えた配球にしていた。戸柱の判断で、カットボールが打者を打ち取るのに最も有効だと考えたのだろう。ヤクルト戦ではカットボールでヒットを許さなかったため、この判断は正解だった。試合展開によって配球比率は変わるが、神宮球場ハマスタのような狭い球場では、カットボール主体の投球が好結果を生みだすかもしれない。

【筒香嘉智】△

勝ったとはいえ、5回表の攻撃を見ていた段階では、ヤクルトに逆転敗けしそうな雰囲気はあった。直前に畠山にホームランを打たれ、その後もピンチを招いてなんとか凌いだ状況だったが、ベイスターズは5回表に梶谷、ロペス、筒香という打順の流れだったため、追加点に期待出来るイニングだった。ここで1点でも入れば試合は再びベイスターズに流れが傾く。しかし、先頭梶谷は高めのボール球に釣られて空振り三振。続くロペスも力のないショートゴロであっけなく2アウトになる。そして筒香を迎える場面だったが、小川ー中村バッテリーは一発長打だけは避けなければならない場面のため、ボールを3つ続けた。

投球数球種球速結果BSO
●1 89 ストレート 142km/h ボール
[高めのつり球]
1 0 2
●2 90 ストレート 140km/h ボール 2 0 2
●3 91 ストレート 142km/h ボール 3 0 2
●4 92 ストレート 139km/h 空振り 3 1 2
●5 93 ストレート 142km/h 空振り 3 2 2
●6 94 ストレート 140km/h ファウル 3 2 2
●7 95 ストレート 140km/h ファウル 3 2 2
■8 96 フォーク 133km/h 空振り
[ワンバウンド]
3 3 3

4球目は外角のストライクゾーンに入ったストレート。筒香はフルスイングでなんとか捉えようとしたが空振り、5球目も外角高めのストレートを空振りする。調子の良い時であれば無理に打ちに行こうとしないのが筒香だが、この打席では一発長打で打開したい、という思いが先行していたのだろうか。中村悠平も5球目を打ちに行って空振りした様子を見て、「最悪勝負を避ける」という判断から「この打席でアウトを確実に獲る」という判断に変えた気がした。結果的に最後はボールゾーンに外れた変化球に手を出して空振り三振。小川泰弘も雄叫びをあげてマウンドを降りた。強打者三人が完璧に抑え込まれたことで、5回裏のヤクルトの攻撃は非常に怖かったが、なんとか無失点に抑えた事がこの試合のポイントだった気がする。ボール先行で勝負を避ける場面は今シーズンずっと続くかもしれないが、ミスショットを逃さず捉えていたWBCの東京ラウンドの時のような集中力を早く取り戻したい。

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