時計仕掛けのロマック

横浜DeNAベイスターズ応援ブログ。外野席ではなく内野席から見るようなブログ。

【3月11日】千葉ロッテ戦・サム・ワン・イン・ザ・クラウド

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映画「ラ・ラ・ランド」では、アカデミー賞主演女優賞を獲得したエマ・ストーンがヒット作に恵まれない不遇の女優を演じている。幼少時代から夢憧れた女優を目指し、幾つもオーディションを受けていた。だが、門狭きオーディションの壁を超えることは決して容易では無い。たった1つのセリフを言うためのオーディションで、目いっぱいの演技を披露するも、オーディション審査員の返事は「もう充分だ」。そんな不遇続きの人生でも彼女は高らかに唄う。「きっとこれが本当のオーディション。群衆の誰であっても、誰かにとっての大事な人になれる。たった1つの作品をきっかけに人生は大きく変わるかもしれないのだから」

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今季初の横浜スタジアム。天候も良く多くの観衆が見守ったハマスタの真っさらなマウンドがウィーランドにとってのオーディション舞台だった。果たして主役の座を射止めることが出来たのか。でも、ブロードウェイ劇場を目指すのは止めてほしいところである。

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両軍合わせて29安打。おまけにエラーも5つ記録した。エラーランプが付かない不味い守備もあり、当然、凡事徹底を掲げるラミレス監督としても、勝利した伊東監督としてもおかんむりの試合内容であろう。先発ウィーランドは球威に欠き、味方の不味い守備もあって予定の6回まで持たず3回途中で自責点8と大炎上。その後を受けた高崎が流れを作ったが、田中健も味方守備に足を引っ張られ3失点。三上、山崎康らはきっちり仕事をしたが結果的には大量失点を喫して横浜スタジアム凱旋試合を勝利で飾れなかった。

打線も15安打を放ちながら12残塁。いい当たりは出るも相手守備の正面を突く打球が多かったという不運もあったが、崩れそうで崩れない場面を演出したのは千葉ロッテの捕手・田村龍弘だったように思う。涌井の立ち上がりを攻め1点を取り、なお1アウト満塁の場面。宮崎もフルカウントまで持っていったが、涌井ー田村のバッテリーは5秒足らずでサインを決めて宮崎をファールフライに仕留めた。1アウト満塁でフルカウント。自分なら絶対球種、コースの選択を迷う場面だが、涌井と田村のバッテリー間で意思疎通が充分取れていることがわかる場面だった。これで打たれていたら「慎重さが足りない」と言われる場面でもあるので結果論でもあるが、球種、コースの選択も間違えなかったのはさすがである。

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桑原将志】◎

この日の主役は桑原だった。3打数3安打3打点に全打席出塁と大暴れして打線を引っ張った。3打席目のホームランは外角に甘く入った球をしっかり捉えた桑原らしい打球だった。1打席目の出塁もフルカウントまで粘って逆方向に逆らわずヒット。先制点を奪われたベイスターズにとって、一番いい形で出塁したためすぐに反撃することが出来た。ここまでやや不調気味ではあったが、これからは本来の打撃に期待できそうである。ちなみに4打席目の死球は躱しながら肩に当たったのでそれほど大きな負傷にはならずに済みそうである。

田中浩康】○

2番打者として大きな仕事をした。初回、内角中心に配球していた傾向があったため、内角に入ったボールを強振し二塁打を放つ。2打席目も桑原に続いて連打を放ち見事タイムリーヒットを記録した。ここまで好調を維持しているが、このままいけば開幕戦スタメンも現実味を帯びてきそうな役割を果たしている。

高崎健太郎】○

ウィーランドの後を受けて1回1/3分を無安打無失点の好リリーフを見せた。完全に千葉ロッテに流れが行った試合展開になったが、高崎が登板して流れは少し落ち着いた。この日はストレート、スライダーともキレがあり打者4人から3三振を奪う完璧な内容。今年の高崎は一味違うという印象を与えているが、高崎の課題は常に好調を維持出来ないところにある。ストレートの調子が悪くなると、打者を抑えるのにかなり苦労する投球が目立つ高崎だったが、今年はどうなるか。今後も登板機会は増えるだろうし、より厳しい場面での登場も増えるだろう。どの場面でも安定して投球出来ることが出来れば、開幕一軍も充分果たせる。

【ウィーランド】✕

元々ストレートを軸にする投球スタイルだったが、この日は変化球主体の投球だったようだ。ストレートの球速は140キロ前後。失点を重ねた3回4回は130キロ後半だった。前回登板の楽天戦はナックルカーブ、チェンジアップも有効に使えていたが、ストレートの球威に欠いたこともあり、外角に外れる変化球はことごとく見逃され、タイムリーを放った田村には上手くカーブに対応された。味方のエラーもあり、苦しすぎるマウンドではあったが、課題も多く残された登板となった。ストレートの調子が良くない時、カーブ主体の投球ではやはり厳しいものがある。ツーシーム系の球種やカットボールといった変化球を試すのも必要なのではと感じた。

【嶺井博希】✕

キャンプ・練習試合では捕球、守備に関して特に問題なさそうだったが、オープン戦では守備のほころびが目立っている。この日も振り逃げしたボールを見失うという場面があったが、それ以上にマウンドへ声を掛けに言く場面が少なく、試合を上手くコントロール出来なかった印象が目立った。特にウィーランドは嶺井がサインを出した直後に投球動作を開始するなど、投げ急ぐ傾向があった。そのため、いつも以上に投手を上手くコントロールする必要があったが、その点に関しても対策が不十分だったように見える。このあたりの成績に見えない捕手の動作が上手だと感じるのが戸柱であり、嶺井や高城、黒羽根の課題だと思う。

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