時計仕掛けのロマック

横浜DeNAベイスターズ応援ブログ。外野席ではなく内野席から見るようなブログ。

宜野湾キャンプ総括2017

デッドボールを受けたような衝撃だった。ベイスターズが南国沖縄で巨人相手にオープン戦を戦っている頃、私は雪山で人生初のスノーボードに挑戦していた。2月25日の沖縄の最高気温は26.2℃だったそうである。沖縄ではTシャツ一枚でのんびり野球見ながらビールでも飲めたら最高だったかもしれないが、私はヒートテック2枚着てダウンジャケット着ても身体が底冷えするするぐらい寒い環境にいた。「イメージトレーニングがしっかり出来れば、どんなプログラムでも出来る」羽生結弦はかつてインタビューで答えていたが、どれだけ事前にスノボのイメージトレーニングをしても、初挑戦でいきなりゲレンデを華麗に滑る才能は私には無かった。結果、転倒した際の姿勢が悪く左肩を強打。侍ジャパンの壮行試合で内川聖一が負った怪我と同じである。全治約1週間。少しずつ治ってはいるが、自分が投手なら開幕ローテーションは絶望的である。

さて、2月も終わり、ベイスターズのキャンプも無事に終了した。正捕手戸柱恭孝エリアンといった主力選手の怪我もあったが、全体的には大きな故障もなく充実したキャンプだったと言えよう。2月26日に行われる予定だった日ハムとの練習試合は雨で中止になったものの、天候は安定していて雨天中止は結局この1試合だけだった。実戦機会も多く設けられたことから、新人選手や新戦力を試す機会も余裕があった。数少ないチャンスを活かして首脳陣にアピール出来た選手、逆に、今年にかける思いは伝わってきたがチャンスを活かせなかった選手もいた。これから先は結果が全てのふるい分けが始まっていく。開幕一軍入りに向けて選手のアピールに期待したい。

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対外試合は9試合行われて6勝3敗と勝ち越した。あまりハッキリと覚えていないが、去年一昨年と負け越していた記憶があるので、対外試合で勝ち越したのは久しぶりではないかと思う。今年は新外国人選手と新人選手の活躍が特に目立ったキャンプだった。キャンプ前の評判ではそれほど評価が高くなかったシリアコ、ウィーランドは実戦を通して結果を残し、クライン、パットンは前評判通りの活躍を見せた。ラミレス監督が外国人枠にいい意味で悩んでいると語っていたが、これはキャンプで得た大きな収穫と言えるだろう。また、新人選手もドラフト2位水野滉也が出遅れたものの、濱口遥大、尾仲祐哉、進藤拓也、狩野行寿、佐野恵太は無事にキャンプを完走することが出来た。高卒ルーキー細川成也、松尾大河も将来に期待が出来そうな活躍を見せ、育成枠・笠井崇正は首脳陣に大きなインパクトを残す事ができた。このまま順調に行けば、開幕前の支配下登録入りも狙える位置にいると言っていいだろう。田中浩康、平良拳太郎オープン戦で活躍し、新戦力に関しては100点満点のキャンプを送ったのではないかと思う。

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キャンプで特に目立つ活躍をした選手11名をピックアップした。現状、ベイスターズの抱える課題として

①山口俊の抜けた先発投手の穴を誰が埋めるか

山崎康晃、パットンどちらにクローザーを任せるか

③須田幸太、三上朋也、田中健二朗らの負担を減らす中継ぎ投手の発掘

二塁手三塁手のレギュラー争い

⑤筒香嘉智の後継者になる長距離砲の育成

といった5つの課題が考えられている。このキャンプで課題が一つでも多く解決できればいいが、

①に関しては、新外国人のクライン、ウィーランドが圧巻の投球を見せたことで先発投手に関する不安は少し和らいだといったところか。今永昇太、石田健大ら主力投手はまだ6~7割の調整段階といったところだが、今後はオープン戦でしっかり結果を残すことが求められる。また、濱口遥大、平良拳太郎も練習試合で好投を見せ、オープン戦でも先発機会を与えられそうだ。5番手6番手争いも注目である。

②に関しても、山崎康晃、パットンどちらも対外試合では問題ない投球を見せたことで現段階ではどちらがクローザーになるかは確定していない。オープン戦の結果次第になりそうだ。

③に関しては実戦を通して大きな収穫があったのではないか。ルーキー尾仲祐哉、進藤拓也、笠井崇正が好投を見せ、現段階では3人共開幕一軍入りを充分狙える立ち位置にいる。平田真吾、野川拓斗も好調で、二軍で調整を続ける藤岡好明、小杉陽太、加賀繁、大原慎司らもうかうか出来ない状況になった。ブルペン陣の争いが熾烈になれば須田や三上にアクシデントがあったときでも対応できるため、若手投手の台頭に期待したい。

④では白崎浩之シリアコ三塁手争いで一歩リードしている形か。宮崎敏郎もコンスタントにヒットを重ねているが、二塁手で先発起用される試合もあり、開幕は二塁手でスタートする形になるかもしれない。その二塁手田中浩康が巨人戦で3打数2安打と活躍し、小技でも安定感を見せてアピールしている。エリアンは故障で一歩後退したが、代わりに石川雄洋が昇格し、柴田竜拓も一軍で数少ないチャンスを得ようと奮闘している。宮崎がすんなりと二塁手のレギュラーポジションに収まることはなさそうだ。

最後に⑤の課題は、細川成也、網谷圭将という10代の長距離砲が目立ったことが大きな収穫だったと言える。今後、筒香がメジャー移籍することになってもこの二人が中心となって打線の中軸を担う役割を果たすことになりそうだ。長打力に魅力がある青柳昴樹、山本武白志、白根尚貴らはこのキャンプで存在感を見せられなかったが、下からの突き上げに何も感じていないはずがない。細川、網谷に簡単にレギュラーを渡さず2軍からチャンスを狙ってほしい。

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一方、先発として期待されていた三嶋一輝、飯塚悟史らは紅白戦で炎上し、開幕ローテーション入りは厳しい状況になった。砂田毅樹、熊原健人も練習試合では先発起用されているが、先発投手としてはまだ課題はありそうだ。砂田に関しては、キャンプ、オープン戦で起用法を考えるとラミレス監督が明言していたが、今の段階では中継ぎとして起用される可能性が高い。とはいえ、野川や平田といった選手が好調なだけに、実績はあるとはいえ、そう簡単に開幕一軍には入れないだろう。

戸柱、山下、エリアンに関しては開幕にはギリギリ間に合うかもしれないが、調整不足は否めない形になる。まずはじっくり怪我の治療を行い、オープン戦終盤から一軍に合流出来るようにしてほしいところだ。

トータルで見ると、ベイスターズの抱える5つの課題に対して、いくつか目処がたったような印象を受ける、収穫の多いキャンプだったと言えるのではないか。ほぼ100点と言いたいところだが、三嶋や砂田といった先発ローテを期待される選手がぴりっとしなかった所、まだまだ凡事徹底というか、内野守備連携や犠打、走塁面でミスも目立つ場面もあったので、点数としては90点ぐらいと考えている。オープン戦では実戦を通して残り10点を改善していけたら開幕ダッシュは充分可能だろう。

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