時計仕掛けのロマック

横浜DeNAベイスターズ応援ブログ。外野席ではなく内野席から見るようなブログ。

【キャンプ注目選手】細川成也の分析とプロ1年目を予想する。

そういえば、元飲食店経営者だった。

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確かにベイスターズというチームを料理に例えると「鍋」かもしれない。暗黒時代は得体の知れない外国人助っ人や負のオーラを纏った選手が混沌と入れ混じった「闇鍋」。少しずつ「アク」を取り除き、色んな「具材」を投入するも今ひとつ味がハッキリしなかったここ数年の「寄せ鍋」。今年は筒香嘉智、今永昇太、山崎康晃というメインの「牛肉」がドンと居座り、桑原将志、須田幸太、戸柱恭孝「ネギ」「白菜」「焼き豆腐」といったざく切り野菜達も充実している美味しくて豪華な「すき焼き」になりそうだ。今年もすき焼き目当てに多くのお客さんが集まる一年になるだろう。ただし、すき焼きで一番重要なのは「割り下」である。砂糖や醤油の分量次第では具材がどれだけ良くてもガッカリ味の鍋料理。美味しいすき焼きになるかどうかはシェフ・ラミレスの手腕次第だ。

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12日は紅白戦だった。去年の紅白戦の内容をあまり深く覚えていないように、この試合の結果はさほど重要ではない。それでも昨年の紅白戦でプロ初試合を飾った戸柱が先輩投手に臆すること無くマウンドで声を掛けたり、飛雄馬が左投手相手に強さを見せたり印象に残るポイントはいくつかあった。

だが、今年の紅白戦は残念ながらほとんど試合を見ることができなかった。そのため、色んな人のブログを見たり、まとめサイト見たりしながらの記事になるため、ある程度憶測で記事を書くことになるが、試合は11-4で白組の圧勝。飯塚悟史はアピール出来なかったが、桑原将志田中浩康、嶺井博希らが好調さを見せつけ、育成1位のルーキー笠井崇正がMAX146キロのストレートで打者を捻じ伏せ、2回無安打無失点と衝撃的なデビューを飾るなど見所は多かったようである。

ここ数日、一番メディア、ファンから注目されている高卒ルーキーも紅白戦でいきなり結果を残したようだ。網谷圭将と並ぶ将来の大砲候補細川成也である。

フリー打撃では高卒ルーキーとは思えない打球で柵越えを連発し、紅白戦でも三嶋一輝からタイムリスリーベース。否が応でも期待が高まるが、周囲が持ち上げすぎると却ってプレッシャーになりそうだ。この「未完の大器」がどれだけ活躍できるか検証してみた。

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細川成也 1998年8月4日(18歳)

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【人 物】

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茨城県北茨城市出身、と思いきや公式プロフィールは「神奈川県出身」になっていた。

北茨城市茨城県最北端の市であり、福島県と県境にあたる。かつては常磐炭田(じょうばんたんでん)という都心に最も近い大型炭鉱があり、多くの炭鉱労働者で溢れていたそうだ。自然豊かな町で、紅葉の名所として知られる花貫県立自然公園、五浦海岸(いづらかいがん)など観光地としての見所も多いようだが、東日本大震災では海岸沿いに甚大な被害が出た。細川の連日のニュースはきっと地元で特に注目されていることだろう。これからも地元に明るいニュースを届けられる選手になって欲しい。

長さ約70cm、重さ約300gのロケット状の投擲物(ターボジャブ)を投げる種目、「ジャベリックスロー」で中学時代全国2位の実績を持つ。高校進学後、進路を野球一本に決め、明秀学園日立ではかつて巨人・坂本勇人、ロッテ・田村龍弘阪神北條史也らを指導した経験をもつ金沢成奉監督の元、のエース兼4番打者として活躍する。高校通算63本塁打とチームメイトの糸野雄星とともにプロのスカウトも早い段階から注目していたようだが、高校入学当時はパワーに技術が追いついておらず、タイミングの取り方でかなり苦戦を強いられたようだ。金沢監督はインタビューで細川について「非常に不器用な選手で、ひたむきにコツコツと取り組むことが出来る選手」と評している。地道なトレーニングが実を結び、3年生夏の霞ヶ浦戦で推定飛距離140メートルの特大弾を打ち一気にドラフト候補に名乗りを挙げた。長打力が注目されているが、身体能力全般で高い水準を持っており、脚力もチーム内で速い部類に入っていたようだ。

投手を経験したことで、投手心理を読んで打てるようになった、と本人もインタビューで答えているが、ツボに入ったら規格外の打球を飛ばす。個人的には変化球への対応などまだまだタイミングの取り方で課題がありそうで、一軍レベルになるのはあと3~4年ぐらい先になるような印象を持っていた。なので、今回の一軍抜擢には相当びっくりしていた。私がである。

【分 析】

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今日の紅白戦、三嶋からスリーベースヒットを打った打席である。連日の投げ込みでおそらくどの投手も身体が重い状態で投げているはずだが、この動画を見る限り三嶋のストレートの状態はよく、140キロ中盤ぐらいの球速は出ている気がする。細川からしてみれば実戦ではほとんど経験したことがないぐらいの球速だが、4球目の外角ストレートを外野まで見事に飛ばした1~3球目まで全てストレートで、細川もストレートに的を絞ってただろうが、4球目は身体が上手く反応して打った、という感じだろうか。元々身体能力が高い選手だが、多くの場合は打ってもファールになる球だろう。打席での雰囲気、ボールの見逃し方を見ても高卒ルーキーとは思えないほど堂々としていて、改めて細川のポテンシャルの高さを感じる打席である。

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既に中田翔アレックス・カブレラといった右の強打者と比較される細川だが、現在球界を代表する強打者の高卒1年目の成績はどうだったのか。上の図に名前を挙げた選手は皆高卒1年目からポジションを獲得し、筒香や中田は2桁本塁打と期待通りの結果を残していた。中田以外はプロ1年目からフレッシュオールスターに選出され、スタメンにも抜擢されている。ちなみに中田もプロ2年目にイースタン・リーグの4番としてフレッシュオールスターに出場し、4打数2安打2打点の活躍で見事にMVPを飾っている。ベイスターズはドラフト指名順位に関わらず高卒1年目から積極的に試合に出場させる球団方針があるため、関根大気青柳昴樹百瀬大騎らは高卒1年目から150打席以上経験している。今年も細川だけでなく松尾大河もファームで積極的に起用されることになるはずである。筒香の成績だけ飛び抜けているので5人の平均本塁打数が9本と、少しハードルが上がってしまったが、細川、松尾も5人の平均成績に近づくことが出来れば2年後3年後の期待はさらに膨らむだろう。

理想の1年目としては

①ファームで100試合出場、300打席以上経験する。

フレッシュオールスター選出。

③フェニックスリーグ、秋季キャンプのメンバー入りで強化指定選手に選ばれる。

関根は高卒1年目からすでに走攻守で高いセンスを持っていたが、青柳は夏までほとんどヒットすら打てていなかった。しかし、猛打賞を打った試合を境に打球が外野まで飛ぶようになり、フェニックスリーグ、秋季キャンプでは強化指定選手に選ばれた。小川打撃コーチなど1軍コーチから直接指導を受ける機会もあり、手応えを掴んだ状態で臨んだ台湾ウィンターリーグでは全16試合に出場し打率.267、本塁打1本と結果を残した。筒香や中田のように結果を1年目から残せなくても試合で打席を重ねていけば成長する土壌が出来つつある。これは非常に大きなポイントだろう。一方で細川と同じポジション、打順を争うライバルにとってはうかうかしていられない状況になった。例えば細川と同じように「右の4番候補としてドラフトで指名された山本武白志にとっては早くも正念場が訪れたことになる。三塁守備では成長を見せているようだが、今年は打撃成績で何が何でも結果が求められる一年になりそうだ。これは現時点で高い評価を受けている網谷や青柳も同じである。こうした競争原理が選手のさらなる飛躍に繋がるはずなので、20歳前後の若手たちの熾烈な「出世競争」も今シーズンの見所になりそうだ。

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