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時計仕掛けのロマック

横浜DeNAベイスターズ応援ブログ。外野席ではなく内野席から見るようなブログ。

【新外国人】フィル・クライン投手の分析と起用法を考える。

選手分析 ベイスターズ

「クライン」という名前、皆さんは何を思い浮かべるだろうか。一番有名なのはクラインの壺で知られるドイツの数学者フェリックス・クラインだろう。サッカー好きならイングランド代表でリバプールの若きサイドバックナサニエル・クライン。ファッションに興味ある方ならカルバン・クラインの名前やブランドを一度は耳にしたことがあるはずだ。経済学部出身なら、アメリカの経済学者でノーベル賞受賞者であるローレンス・クラインの「ケインズ革命」「計量経済学」を習ったことがあるかもしれない。ガンダムマニアならきっとラクス・クラインが真っ先に思い浮かんだはずだ。

私はウィリアム・クラインという映画監督を思い浮かべた。アメリカ出身の写真家だった彼は、1966年、フランス・パリで一本の映画作品を作る。Qui êtes-vous, Polly Maggoo ? (邦題:ポリー・マグーお前は誰だ? )というちょっと変わったタイトルを付けられたこの映画は、当時のフランスのファッション業界を皮肉交じりに描いた作品だった。映画に流れる音楽が好きでサントラも探して買ったこの映画だが、内容は決して一般大衆受けを狙ったものではなかった。それでも、写真家という視点から描かれた奇妙な描写や構図、演出は映画というより「動く写真」であり、50年以上経過した現在でもカルト的な人気がある。

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身長201センチ、体重116キロ。高田GM曰く「複数球団と争奪戦」になったという27歳の豪腕投手に、多くのベイスターズファンは山口俊の穴を埋める活躍を期待しているようだ。先程紹介した「ポリー・マグーお前は誰だ?」には「ポリー・マグー」という彗星のごとく突如現れた若きスーパーモデルが登場する。ファッション業界は「まるで鏡の向こう側からやってきたかのような」彼女の登場に色めき立ち、「彼女は一体何者なのだ?」と噂になりやがて騒動になっていく。

「フィル・クライン。お前は一体何者なのだ?」

というわけで今回はこの投手を分析し、起用法を考えた。

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フィル・クライン 1989年4月30日(27歳)

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【人 物】

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アメリカ合衆国  オハイオ州コロンバス出身。

オハイオ州の州都にあたるコロンバスは学術都市として知られており、オハイオ州立大学もコロンバスに立地している。早速Twitterパットン妙なやりとりしていたが、オハイオ州立大学はカレッジフットボール屈指の強豪チームオハイオステート・バックアイズ」を要することで全米中に知られている。収容人数101,568人という超巨大スタジアムオハイオ・スタジアム」には、きっとクラインも何度か足を運んだことだろう。ちなみにクライン自身オハイオ州立大卒業生ではない。

2011年のMLBドラフト30巡目(全体924位)でテキサス・レンジャーズから指名され、プロ入りする。指名順位は低かったがプロ入り後は着実にキャリアを重ね、2014年に3Aラウンドロック・エクスプレスに昇格する。この時チームメイトだったのがスペンサー・パットンだった。他にも日ハム・田中賢介元巨人・ポレダが在籍しており、日本球界との接点もあったようだ。この年はセットアッパーとして9試合に登板、18イニング連続無失点と完璧な結果を残し、レンジャーズの選手としてメジャー初登板を果たしている。メジャー昇格後もミドルセットアッパーとして17試合に登板。防御率2.84と結果を残した。クラインに遅れること約一ヶ月、パットンもこの年メジャーデビューを果たしている。

2015年以降は、3Aクラスでは先発投手として起用されることが多くなり、安定した結果を残している。一方、メジャー昇格後は主に救援での登板が多く、思うような結果を残すことは出来なかった。2016年はフィリーズと契約し、3Aリーハイバレー・アイアンピッグスでは主に先発投手として起用されていた。このチームには今季からヤクルトに加入するブキャナンも在籍している。共にリーハイバレーのローテーション投手であり、年齢も同じ27歳。今年はセ・リーグ同士で投げ合う機会も訪れるだろう。さながらアメリカ版今永昇太VS原樹理といったところか。

【特 徴】

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3Aクラスでは平均して10%近い奪三振率を誇り、三振奪取能力に関しては優秀な成績を収めている。制球面でも3Aクラスにおける3年間の平均与四球率が2.93%と比較的安定した成績を残しており、制球面による不安は少なそうだ。直近の2016年は与四球率が2.1%、奪三振率は10.2%となっている。外国人投手が日本で成功する条件として制球面での安定性が求められるが、クラインの平均与四球率2.93%は広島・ジョンソン(2.60%)、阪神メッセンジャー(2.96%)と比較できる水準の数値である。昨年の与四球率2.1%となると、外国人先発投手ではソフトバンク・バンデンハーク(1.76%)に次ぐ成績となる。バンデンハーク奪三振率も10.10%と高い投手だが、3Aクラスの成績だけなら、クラインは引けをとらない成績を残している。

一方、メジャークラスになると、3年間の平均奪三振率が8.67%、平均与四球率は4.7%まで上昇してしまう。マイナーではストレート、スライダーなどの球種で空振りを取れていたが、メジャークラスになるとバットに当てる打者も多いため、ストライク先行の投球が出来なかったことがメジャー定着を果たせなかった要因だろう。

ピッチングスタイルはMAX153キロのフォーシームとスライダーを軸に、チェンジアップ、シンカー、カットボールといった球種を低めに投げ分ける。昨年は特にチェンジアップが有効だったようで、決め球としても使用しているようである。MAX153キロのフォーシームもメジャークラスにおいては平均球速に過ぎず、カットボールやシンカーも特徴的な変化をもたらすことが出来なかったため、昨年は被打率.250と平均的な数字だったスライダー以外の球種(フォーシーム含む)は3割近い被打率だった。とはいえ、日本球界であれば201センチの長身からフォーシーム、スライダーを投げ込まれると相当打ちづらい投手なのではないかと思う。

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キャリアハイの成績を残した2014年の投球(救援投手として登板)では、ストレート、スライダーともにキレがあり、このままいけばレンジャースのセットアッパーを担えるだけの実力はあったように思える。

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こちらは2016年フィリーズ移籍後のマウンドだが、スライダーは決め球として有効だろう。メジャーで打ち込まれた2015年においてもスライダーの被打率は.206とほとんど打たれていなかった。縦の変化もあるので、ストライクゾーンから落とされると打者は手を出さざるを得ないだろうし、クラインの場合はコースに投げ分ける制球力も備わっているため、打者からしたら厄介なボールだろう。

以上をまとめると、特徴としては

①3Aクラスでは奪三振率、与四球率は優秀であり、安定した成績が期待できる。

②ストレート、縦スライダーが軸であり、近年はチェンジアップも決め球として有効である。

③先発・リリーフ両方とも経験がある。

【今後の課題と起用法】

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推定年俸は1億5000万円。フロントの期待も大きな選手である。ウィーランドパットンにも1億近い年俸を支払っており、アメリカの独立リーグからハミルトンブランドンを引っ張ってきた頃を思えば相当出世した感があるが、活躍するかは未知数だ。

動画やスタッツを見た印象だけで言えば、クラインソフトバンク・バンデンハークを見た時と同じ印象に思えた。長身から投げる角度のある投球で低めに制球されたら打ち崩すのは相当困難だろう。課題があるとすればクイックモーションやボークといった投球動作であり、おそらく他球団が攻略の糸口を狙うポイントもそこにあるはずだ。その点はウィーランドパットンも同じことが言えるため、キャンプの段階からしっかり修正に取り組んでほしい。

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