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時計仕掛けのロマック

横浜DeNAベイスターズ応援ブログ。外野席ではなく内野席から見るようなブログ。

あえて今、「筒香を三番で起用すべきか」考える。

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2010年のサッカーワールドカップ南アフリカ大会直前、ほとんどのサッカーファンは岡田武史率いる日本代表に何も期待していなかった。大会直前に行われたキリンカップで日本代表は宿敵韓国相手に2-0で敗北する。宿敵に勝って大会前に勢いをつけたいという思惑とは裏腹に、単調なパス回しに終始する日本代表の姿を見て絶望感を抱いた者は私だけでは無いはず。進退伺を出すほど大会前に追い込まれた岡田ジャパンだったが、南アフリカに乗り込んでも調子は上がらず、イングランドコートジボワールと立て続けに連敗した泥沼状態で大会初戦のカメルーン戦を迎えた。結論から言えば、韓国戦の敗戦から大幅なフォーメーションシステムを変更したことが功を奏して、前評判を覆す一次リーグ突破を果たしたのだが、今回の野球日本代表もあの時と同じような空気が流れていることを感じている。小久保裕紀率いる侍ジャパンは台湾リーグ選抜との壮行試合に臨むものの、台湾の若きスーパースター王柏融の前に呆気なく屈した。WBC一次ラウンドは3月7日から始まる。正直色々試すには期間が短すぎるが、小久保監督は打線の並びや守備シフト、投手起用のバリエーションを色々試してほしい。

そのため、「四番は筒香で固定する」と小久保監督が明言した時は正直不安だった。野球とサッカーは全く別のスポーツなので比較しても仕方ないのだが、本田圭佑をワントップ(というかゼロトップ)に起用したことが一次リーグ突破に繋がったように、短期決戦においてはあまり固定概念に囚われない方が好結果を生み出すような気がする。2009年のWBCでも最初は四番に稲葉篤紀を起用していたが、最終的には城島健司が四番に座っていた。昨日の試合を見る限り、筒香には何も問題なさそうだが、本戦では一番調子が良い選手が四番、というシンプルな考えの方が良いかもしれない。

ちなみに「四番は筒香で固定する」という発言はラミレス監督も去年からずっと言い続けている。ペナントレースにおいては打線の中核を担う四番打者をコロコロ替えるのは良くないという発想だろう。昨年の二冠王であり、間違いなくベイスターズの主砲である筒香嘉智の四番起用には何の問題も無いが、個人的には筒香を三番で起用しても面白いんじゃないかなと思っていた。かつては松井秀喜も三番を打っていたし、メジャーのチーム最強打者はほとんど球団が三番を任されている。今回は筒香を三番で起用することで生じるメリット、デメリットを考えてみた。

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筒香嘉智を三番で起用する場合、替わりに入る四番打者は必然的にロペスになる。当然、ロペスが昨年のような活躍を見せることが前提ではあるが、長打力に関しては筒香と遜色ないので、四番で起用しても問題ないだろう。

表にも書いたが筒香三番起用の最大のメリットは、出塁率の高い一、二番打者の後を打つことが出来るため、ランナーがいる状態で打席に入る可能性が高くなる事である。昨年、筒香はランナーがいない時の打率は.294だったが、ランナーが一人でもいると打率は.357まで上昇している。出塁率.356の桑原将志出塁率.359の梶谷隆幸の後に後ろに筒香が入ることで、相手投手の立ち上がりを崩すような展開も多くなるのではないかと期待出来る。

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昨年のベイスターズにおける打順別打撃成績を見ると、二番打者が打率.201と低迷していたことがわかる。一番多く二番打者としてスタメン起用されたのは石川雄洋で、次にエリアン、荒波翔と続いたが、シーズン通して二番は固定できなかった。このため、切り込み隊長の桑原が出塁しても二番で流れが止まる、といった場面は多かった印象がある。優勝したカープはほぼ全試合菊池涼介で固定されていたため、二番打者の打率が.309とリーグで一番高い打率だった。カープの場合、一番・田中広輔、三番・丸佳浩も好調だったのも大きかったが、上位打線の打率が高いほど打線の攻撃性が向上するのは間違いない。ラミレス監督が梶谷の二番起用にこだわっていたのはそういう理由が大きいためだろう。

また、打席数が四番と比べて確実に増えることも、筒香を三番に置くメリットである。三番なら初回に確実に打席が回ってくる。相手投手からしたら立ち上がりで筒香を迎えるのは嫌であり、その前を打つ桑原、梶谷も決してアウトが取りやすい打者ではないので一、二番に対しても慎重に攻めざるを得なくなる。昨年、ベイスターズはイニング中盤の五回、六回に得点を上げることが多かったが、初回から点が入ると試合展開も優位に進めることが出来るため、三番筒香で初回から先制点を狙っていきたい。

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一方、筒香を三番で起用することで必ずしも成功するとは限らない。チャンスで打席に回ってくる確立はおそらく四番の方があるだろう。こうなると「三番打者最強説」と「四番打者最強説」の論争になってくるが、得点圏に強い筒香を三番に置き、得点圏にそれほど強くないロペスを四番に置くことで却って打線が低迷する可能性もある。また、この打順は筒香の前を打つ桑原、梶谷、後を打つロペスが昨年のような成績を残すことで成り立つものであり、前後の打者が不調だと却って筒香との勝負が容易になる可能性がある。チームの顔とも言える主砲・筒香嘉智をあえて四番ではなく三番に置くべきか。リスクもあるが試してみても面白いのではないかと個人的には思っている。侍ジャパンにおいても三番筒香、四番中田翔なんて打順を一度試す価値はあるように思う。変にこだわりすぎて失敗する姿だけは見たくないものである。

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宜野湾キャンプ総括2017

デッドボールを受けたような衝撃だった。ベイスターズが南国沖縄で巨人相手にオープン戦を戦っている頃、私は雪山で人生初のスノーボードに挑戦していた。2月25日の沖縄の最高気温は26.2℃だったそうである。沖縄ではTシャツ一枚でのんびり野球見ながらビールでも飲めたら最高だったかもしれないが、私はヒートテック2枚着てダウンジャケット着ても身体が底冷えするするぐらい寒い環境にいた。「イメージトレーニングがしっかり出来れば、どんなプログラムでも出来る」羽生結弦はかつてインタビューで答えていたが、どれだけ事前にスノボのイメージトレーニングをしても、初挑戦でいきなりゲレンデを華麗に滑る才能は私には無かった。結果、転倒した際の姿勢が悪く左肩を強打。侍ジャパンの壮行試合で内川聖一が負った怪我と同じである。全治約1週間。少しずつ治ってはいるが、自分が投手なら開幕ローテーションは絶望的である。

さて、2月も終わり、ベイスターズのキャンプも無事に終了した。正捕手戸柱恭孝エリアンといった主力選手の怪我もあったが、全体的には大きな故障もなく充実したキャンプだったと言えよう。2月26日に行われる予定だった日ハムとの練習試合は雨で中止になったものの、天候は安定していて雨天中止は結局この1試合だけだった。実戦機会も多く設けられたことから、新人選手や新戦力を試す機会も余裕があった。数少ないチャンスを活かして首脳陣にアピール出来た選手、逆に、今年にかける思いは伝わってきたがチャンスを活かせなかった選手もいた。これから先は結果が全てのふるい分けが始まっていく。開幕一軍入りに向けて選手のアピールに期待したい。

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対外試合は9試合行われて6勝3敗と勝ち越した。あまりハッキリと覚えていないが、去年一昨年と負け越していた記憶があるので、対外試合で勝ち越したのは久しぶりではないかと思う。今年は新外国人選手と新人選手の活躍が特に目立ったキャンプだった。キャンプ前の評判ではそれほど評価が高くなかったシリアコ、ウィーランドは実戦を通して結果を残し、クライン、パットンは前評判通りの活躍を見せた。ラミレス監督が外国人枠にいい意味で悩んでいると語っていたが、これはキャンプで得た大きな収穫と言えるだろう。また、新人選手もドラフト2位水野滉也が出遅れたものの、濱口遥大、尾仲祐哉、進藤拓也、狩野行寿、佐野恵太は無事にキャンプを完走することが出来た。高卒ルーキー細川成也、松尾大河も将来に期待が出来そうな活躍を見せ、育成枠・笠井崇正は首脳陣に大きなインパクトを残す事ができた。このまま順調に行けば、開幕前の支配下登録入りも狙える位置にいると言っていいだろう。田中浩康、平良拳太郎オープン戦で活躍し、新戦力に関しては100点満点のキャンプを送ったのではないかと思う。

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キャンプで特に目立つ活躍をした選手11名をピックアップした。現状、ベイスターズの抱える課題として

①山口俊の抜けた先発投手の穴を誰が埋めるか

山崎康晃、パットンどちらにクローザーを任せるか

③須田幸太、三上朋也、田中健二朗らの負担を減らす中継ぎ投手の発掘

二塁手三塁手のレギュラー争い

⑤筒香嘉智の後継者になる長距離砲の育成

といった5つの課題が考えられている。このキャンプで課題が一つでも多く解決できればいいが、

①に関しては、新外国人のクライン、ウィーランドが圧巻の投球を見せたことで先発投手に関する不安は少し和らいだといったところか。今永昇太、石田健大ら主力投手はまだ6~7割の調整段階といったところだが、今後はオープン戦でしっかり結果を残すことが求められる。また、濱口遥大、平良拳太郎も練習試合で好投を見せ、オープン戦でも先発機会を与えられそうだ。5番手6番手争いも注目である。

②に関しても、山崎康晃、パットンどちらも対外試合では問題ない投球を見せたことで現段階ではどちらがクローザーになるかは確定していない。オープン戦の結果次第になりそうだ。

③に関しては実戦を通して大きな収穫があったのではないか。ルーキー尾仲祐哉、進藤拓也、笠井崇正が好投を見せ、現段階では3人共開幕一軍入りを充分狙える立ち位置にいる。平田真吾、野川拓斗も好調で、二軍で調整を続ける藤岡好明、小杉陽太、加賀繁、大原慎司らもうかうか出来ない状況になった。ブルペン陣の争いが熾烈になれば須田や三上にアクシデントがあったときでも対応できるため、若手投手の台頭に期待したい。

④では白崎浩之シリアコ三塁手争いで一歩リードしている形か。宮崎敏郎もコンスタントにヒットを重ねているが、二塁手で先発起用される試合もあり、開幕は二塁手でスタートする形になるかもしれない。その二塁手田中浩康が巨人戦で3打数2安打と活躍し、小技でも安定感を見せてアピールしている。エリアンは故障で一歩後退したが、代わりに石川雄洋が昇格し、柴田竜拓も一軍で数少ないチャンスを得ようと奮闘している。宮崎がすんなりと二塁手のレギュラーポジションに収まることはなさそうだ。

最後に⑤の課題は、細川成也、網谷圭将という10代の長距離砲が目立ったことが大きな収穫だったと言える。今後、筒香がメジャー移籍することになってもこの二人が中心となって打線の中軸を担う役割を果たすことになりそうだ。長打力に魅力がある青柳昴樹、山本武白志、白根尚貴らはこのキャンプで存在感を見せられなかったが、下からの突き上げに何も感じていないはずがない。細川、網谷に簡単にレギュラーを渡さず2軍からチャンスを狙ってほしい。

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一方、先発として期待されていた三嶋一輝、飯塚悟史らは紅白戦で炎上し、開幕ローテーション入りは厳しい状況になった。砂田毅樹、熊原健人も練習試合では先発起用されているが、先発投手としてはまだ課題はありそうだ。砂田に関しては、キャンプ、オープン戦で起用法を考えるとラミレス監督が明言していたが、今の段階では中継ぎとして起用される可能性が高い。とはいえ、野川や平田といった選手が好調なだけに、実績はあるとはいえ、そう簡単に開幕一軍には入れないだろう。

戸柱、山下、エリアンに関しては開幕にはギリギリ間に合うかもしれないが、調整不足は否めない形になる。まずはじっくり怪我の治療を行い、オープン戦終盤から一軍に合流出来るようにしてほしいところだ。

トータルで見ると、ベイスターズの抱える5つの課題に対して、いくつか目処がたったような印象を受ける、収穫の多いキャンプだったと言えるのではないか。ほぼ100点と言いたいところだが、三嶋や砂田といった先発ローテを期待される選手がぴりっとしなかった所、まだまだ凡事徹底というか、内野守備連携や犠打、走塁面でミスも目立つ場面もあったので、点数としては90点ぐらいと考えている。オープン戦では実戦を通して残り10点を改善していけたら開幕ダッシュは充分可能だろう。

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オープン戦の前に予習しておく去年のジャイアンツ戦

キャンプのMVPには嶺井博希が選ばれた。前半戦のMVPに挙げた嶺井だったが、その後の対外試合でも結果を残して首脳陣にいいアピールが出来ていた。対外試合では嶺井、高城、黒羽根がそれぞれチャンスを与えられていたが、韓国代表との試合では途中出場ながら逆転の決勝タイムリーを放つなど持ち前の勝負強さも見せた。元々打撃では評価が高かった嶺井だが、減量して臨んだ秋季キャンプから捕球、送球面でも成長が見られたことが大きかったのだろう。本人も正捕手奪回に向けて手応えを掴んでいるはず。おそらくオープン戦では高城、黒羽根と比較して優先的に起用されるはずである。今後は守備、盗塁阻止といった点がよりクローズアップされると思うが、結果を残して首脳陣にアピールし続けてほしい。

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早いもので2月25日はオープン戦が開幕する。今年は那覇で巨人とのオープン戦が組まれているが、すでに両チームの先発投手とスタメンが発表されているので紹介したい。

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対して巨人は

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と発表されているが、日本代表に選ばれた坂本勇人の代役になるショートが一体誰になるのかわからなかったので守備位置は省いた。名前だけ見るとほぼ主力組といった感じなので、平良、砂田にとってはアピールの場としては申し分ない。結果を残した方が開幕ローテーションにぐっと近付くので、好投してもらいたい。

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昨年も巨人と那覇オープン戦を戦ったが、その時は巨人勢の活躍が目立ち、ベイスターズはほとんど活躍出来なかった。

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ルーキー重信慎之介が走塁とファインプレーで観客を沸かし、ギャレットがこの日もタイムリーツーベースで勝利に貢献した。この試合、三嶋も内角を突く好投で期待感があったが、ペトリックは球威に欠いていた印象があったと記憶している。今年はリベンジしていきたいところだ。

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【2月23日】vs千葉ロッテマリーンズ(練習試合)

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【試合前の展望】

ベイスターズ先発は濱口遥大。前回登板のハンファ戦では2回を投げて1安打無失点の内容。140キロ後半を計測していたストレートに力があり、チェンジアップも落差があったため、どちらの球種でも打者を抑え込むピッチングが出来た。前回登板のようなストライク先行の投球ができればロッテ打線も抑え込むことが出来るだろう。その後は好投を続けるルーキー尾仲、野川が登板。韓国代表戦では進藤、平田らが結果を残すピッチングを見せた。中継ぎ枠を巡る争いも激化しているだけに、生き残りたいところだ。その後を受ける三上、田中健、須田は調整登板で各1イニングを予定している。ロッテは角中がスタメンを外れたものの、打撃好調な平沢、鈴木大地らがスタメンに名を連ねた。特に平沢はラミゴ戦でホームランを放つなど長打力が増した印象。甘い球が狙われないように気をつけたい。

昨日の韓国代表戦では嶺井の逆転タイムリーでなんとか勝利した。しかし、何度も得点圏にランナーを置きながらなかなか得点が奪えない攻撃が続き、快勝とは言えない試合内容だった。ロッテは昨年6勝を挙げた唐川侑己が先発。調子が良い時の唐川は手がつけられない投球をするが、脆さもある投手である。被打率.353のストレートに狙いを絞っていけば攻略は出来そうだ。強風ということもあり、乱打戦の予感がする今日の試合である。

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濱口は3回を投げて3失点。制球に苦しんだというか、ロッテ打線に変化球の軌道を見極められていたという印象か。強風の中かなり慎重に投げていたが、3回に先頭打者を歩かせてしまい、その後は内野守備の乱れ(グラウンドに魔物がいたといってもいいが)もあり先制点をロッテに与えてしまう。清田に対しては甘く入った球をしっかり狙い打たれた。風に流された打球に桑原もダイブするがさすがに追いつけなかった。

その後を受けた尾仲はストレートに力があり、ロッテ打線の打球が前に飛ばない場面もあった。2回無失点と結果を残し、流れも少しずつDeNAに寄せていけるかと思っていたが、この日の唐川、二木には集中力があった。唐川は低めにボールを集めることが出来、ランナーを背負っても落ち着いた投球で4回無失点の好投。変化球が多彩で、2巡目になっても打ちあぐねる場面が多かった。唐川降板後に登場した二木はストレートとフォークのキレがあった。結局、流れはロッテへと傾いて今まで好投を続けていた野川もロッテ打線に捕まり1回4失点と苦い内容になった。主力中継ぎ陣の須田、田中健、三上に関しては順調そうな仕上がりが確認できたので収穫もあったが、キャンプで徹底している「凡事徹底」という点では、この試合では上手く機能出来ていなかった。なお、関根が有吉からデッドボールを受けたが軽症で済みそうとのことである。

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【濱口遥大】△

3回を投げて3失点。プロの洗礼を浴びた形になった。ハンファ戦では147キロを計測したストレートも、この日は動画で見る限り140キロ前半ぐらいのような印象である。2回までは四球でランナーを出しながら粘り強い投球をしていたが、3回の先頭打者・田村龍弘に対して外角際どいコースに投げ込むもなかなか審判の手が上がらず歩かせてしまう。次の打者の加藤翔平の当たりが三塁線を破る二塁打になり、中村奨吾の内野ゴロで失点するものの、全体的には粘り強く投げていた。清田育宏には完璧に捉えられたが、その後のパラデス、ダフィーはきっちり抑えることが出来た。あのままズルズル失点を重ねる投球をしていたら不安もあったが、とりあえず課題も収穫もあった登板になったのではないか。

ラミレス監督の試合後の発言はまだ見ていないが、おそらく次回も先発登板の機会は与えられるだろう。まずはハンファ戦のようなストレート、チェンジアップのキレを取り戻すことが鍵になりそうだ。

【尾仲祐哉】◯

2回を無失点の好投で結果を出した。手元で伸びるストレートに力があり、スライダーの軌道も打者の空振りを誘う切れ味があった。ストレートに強い細谷圭が相当差し込まれているのだから、打者の体感速度はかなり早そうだ。ゆくゆくは8回9回を投げるようなセットアッパー、クローザーを目指せる投手だと思うが、粘られると時々甘い球が真ん中に集まる傾向もありそうだ。今の段階ではビハインドでの登板が中心になるだろうが、この試合の登板で首脳陣の評価も上がったのではないか。オープン戦も一軍帯同濃厚で、開幕一軍を狙えそうな位置にいると言っていいだろう。

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【2月22日】vs 韓国代表(練習試合)

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【試合前の展望】

韓国先発はベイスターズファンにはおなじみのヤン・ヒョンジョン。奇しくもベイスターズの先発はフィル・クラインである。ヤン獲得失敗によって急遽獲得したクラインだが、ここまでの評価は上々で、前回登板もストレートを軸に中日打線を全く寄せ付けない仕事ぶりを見せつけた。その後を受けるウィーランド、進藤らもストレートを軸としている投手が続くので、韓国打線の目がストレートの速さに慣れないよう配球パターンを変えたり、ゾーンを散らしながら投球出来るかが鍵になりそうだ。

打線は筒香が日本代表合宿参加のためロペスが4番に入り、レフトには乙坂が入った。強い当たりが出てきたシリアコやロペスの他、打撃絶好調の嶺井らで得点出来れば理想である。ヤンも韓国を代表する好投手なので投手戦になると予想される。先制点が取れれば試合を優位に進めることができそうだ。

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予想通り投手戦にはなったが、制球に苦しむクラインの後を受けたウィーランドの好投が試合の流れを上手く作ったことでベイスターズが1点差の試合を制した。初回の攻撃は桑原ヒット→田中浩バント→梶谷タイムリーと、燃えよドラゴンズの歌詞のような理想的な得点だった。その後はお互いチャンスを作るもなかなか好機で一本出ず、8回裏に嶺井が逆転タイムリーを放つまでベイスターズは9残塁。試合には勝利したが、課題もあった試合だった。

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【ウィーランド】◎

3回を9人で片付け無安打無失点と完璧な投球。日本代表にも言えることだが、データが乏しい相手投手にテンポよくストライク先行で投げられると非常に苦しい試合展開になる。この試合のウィーランドは低めの制球が良く、クラインからホームランを放った7番打者から三振を奪うなど申し分ない内容だった。次回はもう少し長いイニングを先発マウンドで見ることになりそうである。

平田真吾】◎

ここまで対外試合で未だ無失点。笠井崇正進藤拓也といった右の中継ぎ投手のライバルも好調だが、この試合の平田の投球は見ていて安心感があった。投球フォームにタメがあり、球威のあるストレートにも威力があった。平田の課題は好調なコンディションを維持できるかどうか。この先も登板機会は多く与えられるだろうが、結果を残し続けていけば開幕一軍入りを狙えるポジションにいると言ってもいいだろう。

【クライン】◯

3回を投げてホームラン一発を浴び2失点の結果だった。ここまで完璧な投球を続けていたので、韓国打線に苦戦したことはかえって良かったと思っている。試合の動画を改めて見てみたが、ウィーランドと比較してもかなりマウンドを気にして投球している様子が伺えた。マウンドの傾斜や土の硬さが上手く合わなかったのかもしれない。バットを折るなど球威で抑え込む場面もあり、コンディション悪いなりに試合は作ったのではないか。

【シリアコ】◯

ヤクルト戦のホームランからそれまでとは別人のような活躍を見せている。5番サードのスタメン起用は自身で掴み取ったと言っていいだろう。見ていて改めて思うが、バットスイングが早い。そのため、インコースも上手くさばいて打つ事が出来ている。キャンプ序盤のフリー打撃では、それほど存在感ある打撃は披露できていなかったが、打席を重ねるごとに成長しているような印象である。手痛い走塁ミスもあったが、これからも白崎浩之、宮崎敏郎と併用して起用されていきそうだ。

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23日は千葉ロッテマリーンズとの練習試合で、先発は濱口遥大が予定されている。予定では3イニングを投げ、その後は尾仲祐哉が2イニング、好調の野川拓斗が1イニングを投げる予定である。ロッテはラミゴとの練習試合でホームランを放った平沢大河セカンドにコンバートされた鈴木大地角中勝也あたりがよく振れているようである。濱口からしたら昨年のパ・リーグ首位打者角中相手にどう挑むかが鍵になりそうだ。角中は昨年対左投手に対して打率.308と苦にしておらず、濱口のウィニングショットであるチェンジアップの球種別安打率は.483と滅法打ち込んでいる。キャンプ疲れも相当あるだろうが、相当神経を使いながら投球することになりそうだ。逆に言えば、この試合でも好投出来れば開幕ローテーションはぐっと近付くだろう。厳しい戦いが予想されるが、濱口の投球に注目したい。

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前回の記事に引き続き、残り2球団の注目選手を取り上げた。

 

読売ジャイアンツ・今村信貴】

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山口俊は巨人に移籍したはずだが、ついこの間まで川崎市に行けば一応会えたみたいである。21日の時点で中腰の捕手相手に40球ほどの投げ込みを行う程度であり、ブルペンでも全力投球出来ない状態なのだから、開幕ローテーション入りは相当厳しいだろう。早ければ4月下旬~5月頃に一軍合流出来れば上出来といった感じか。他にも、陽岱鋼が離脱し、ルーキー吉川尚輝、畠世周も怪我や手術で今年は一軍でアピールするのも難しい状態と言える。巨人OBからも「キャンプに活気が無い」と酷評される声も聞こえ始め、由伸政権2年目は苦しいキャンプを過ごしている。

サムスンとの練習試合で9-0の大敗を見せるなど船出こそ厳しいものだが、戦力から言えば泥舟ではなく豪華客船並のチームであることは間違いない。新外国人カミネロはこの時期で155キロという豪速球を披露していたり、去年散々ハマスタで猛威を奮ったギャレットも場外弾をかっ飛ばして好調さをアピールしている。若手では去年の春季キャンプで大きな話題を集めた重信慎之介が今年も好調で、若手中心に組まれた打線の切り込み隊長として自慢の快足を武器に結果を残している。投手では今村信貴の評価が高そうだ。山口の人的補償候補として今村も取り上げたが、結局ベイスターズが選んだのは平良拳太郎。ここまで平良は自分の持ち味を発揮し好投を続けている。おそらくだが、週末の巨人とのオープン戦でも登板機会が与えられるだろう。今の段階ではまだ2軍キャンプで調整している今村だが、オープン戦では平良との投げ合いが見てみたい。

【読売ジャイアンツ編】オレが戸柱なら、ギャレットはこうやって抑えるね。 - ベイスターズが負けて喰うメシは旨いか

広島東洋カープ堂林翔太

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裏方さん10人がノロウィルスに感染し集団離脱するという前代未聞の事態に巻き込まれた昨年の覇者・カープ。期待の若手野間峻祥大瀬良大地、丸佳浩エルドレッドといった主力も怪我で離脱するなど、全体を通してあまり良いニュースが無いような気がするが、ルーキー加藤拓也、床田寛樹を始め、船越涼太、安部友裕といった若手選手は充実したキャンプを送っているようである。昨年18試合に登板し、シーズン後半からローテーション入りした岡田明丈は投球フォームの改造に取り組んでおり、紅白戦では好投している。おそらく今年はローテーションの軸としても活躍が期待できる投手だけに、手強い相手になりそうである。

打者では堂林翔太の打撃フォーム改造が少しづつ成果として現れているようである。筒香もそうだったが、元々素質ある打者が一度壁にぶつかった末に打撃フォームが固まると一気に開花することがある。今年は外野手にコンバートされて紅白戦、練習試合ではセンターを守っており、堂林にとっては勝負の一年になりそうだ。高校時代から見ている堂林だが、個人的には打撃タイトルを狙えるだけのポテンシャルや打撃技術は持っている選手だと思っている。石井琢朗コーチとマンツーマンで取り組んだ成果が今年発揮出来れば相当活躍しそうだ。奇しくも堂林は今年、新井貴浩石原慶幸とともに護摩行に初めて参加している。護摩行パワーの凄さは前に一度触れたが、本当に侮れなくなりそうだ。

【広島東洋カープ編】なぜ新井貴浩は護摩行に向かうのか。 - ベイスターズが負けて喰うメシは旨いか 

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沖縄キャンプ前半戦のMVPと各球団の注目選手

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モテない男が突然女の子にちやほやされると、どうリアクションしたらいいのかわからなくなる。これはそういう状態に近い気がする。

ベイスターズは今年、きっと優勝する。それはベイスターズファンならみんなそう思ってるはずだが、実際にここまで高評価されるとむず痒いというかなんというか。去年の広島も一昨年のヤクルトも、前評判は決して高くない所からのスタートだっただけに、評判倒れにならないように謙虚に慎ましく応援するのが正しいファンの在り方だろう。「俺は今、モテ期なんだ」と傲慢な振る舞いをする者は、きっと女子に嫌われる。

こんな記事が出てからベイスターズは練習試合で2連敗。とはいえ日替わりで新たなヒーローが登場し、チームの雰囲気は決して暗いものではなさそうだ。2軍の練習試合でも松尾大河が決勝タイムリーを放つなど、今年はルーキーの活躍が目立っている。高卒ルーキー細川成也や2年目の網谷圭将といった成長著しい若手選手が躍動し、新外国人選手達も練習試合で結果を残した。そういったチームの活気に乗せられたのか。今日まで当たりの出ていなかった筒香嘉智も、今日行われたヤクルトとの練習試合で2打席連続タイムリーと打つべき主力選手も調子が上がってきた。明日は開幕投手に内定している石田健大が韓国・起亜タイガースとの練習試合に登板予定である。実戦初登板で調子も本調子ではないだろうが、結果が求められる登板になりそうだ。

今日で2月も残り10日ほどになった。オープン戦を含めた対外試合も折り返し地点の5試合が終了し、3勝2敗とまずまずの結果である。「キャンプ、オープン戦では全ての選手に平等にチャンスを与える」とラミレス監督がキャンプ前語ったように、多くの選手が実戦経験を積むことが出来たのは収穫だろう。一方で、正捕手候補の戸柱恭孝山下幸輝が故障でキャンプを離脱。また、先発ローテーションを期待されていた三嶋一輝飯塚悟史が結果を残せず2軍降格し、熊原健人、砂田毅樹もまだまだ不安定さを覗かせる内容だった。シーズン開幕に向けて課題はまだまだありそうだが、残り5試合の対外試合とオープン戦で課題が解消されていくことを期待したい。

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ここまでのキャンプでは特に若手選手の活躍が目立ったが、現時点でのキャンプMVPを考えた。レギュラー定着を目指す桑原や乙坂、嶺井は成長を伺えるキャンプを送っており、ルーキーの濱口、笠井、佐野、細川らは対外試合で大きなインパクトを残した。全試合見ているわけではないので、もしかしたら成績で見落としてる箇所はあるかもしれないが、紅白戦以外の成績を見ると一番好調な選手は嶺井のようだ。課題と言われたキャッチング、送球に関しても成長が見られ、練習試合では盗塁を阻止する場面もあった。黒羽根利規とスタメンを交互に繰り返しているが、戸柱恭孝が故障した今、嶺井に対する期待は首脳陣としても大きいはず。打撃面では絶好調だが、今後は主力投手とコンビを組んでリード面でもしっかりアピールする必要があるだろう。秋季キャンプでもラミレス監督からMVPの評価を獲得した嶺井だが、沖縄キャンプ前半戦のMVPも個人的に嶺井を推したい。

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さて、キャンプ前に他球団の戦力予想をしたが、他球団ファンのブログやまとめサイトなどを見ていても今年活躍が期待されている選手は結構いるようである。今回の記事では各球団の注目選手をピックアップしてみた。一応、過去の球団分析記事と合わせて紹介したい。

中日ドラゴンズ・遠藤一星】

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ビシエドゲレーロインパクトが強烈で、WBC日本代表に選ばれている平田良介も好調そうである。昨年は4番ビシエドの前後の打者が安定した成績を残せず、結果ビシエドに対してはボールゾーンで勝負できるという状況が多かったが、ゲレーロの加入で今年はそう簡単に攻めさしてはくれないだろう。遠藤一星、石岡諒太らフルスイングできる若手選手も練習試合で結果を出している。貧打に悩まされた昨年と違い、打線に厚みが増した印象だが、打撃面以上に目立つのが走塁の積極性である。15日の韓国・起亜タイガース戦では、遠藤一星が2盗塁、溝脇隼人、石岡諒太、亀沢恭平が1盗塁と4人で5盗塁を記録。昨日の練習試合でもビシエドが打った内野フライの捕球体勢を確認してゲレーロが進塁するといった場面があった。森脇浩司がヘッドコーチに就任し、走塁意識改革に乗り出しているが、今の段階ではチームに浸透しているようだ。個人的には落合時代の「守り勝つ野球」を取り戻すよりも、こういう積極性を全面に出した野球をする方が今のドラゴンズの選手に合っているような気がする。特に遠藤は外野にコンバートされ、課題だった内野守備に関する不安は払拭。梶谷のような雰囲気がある選手である。俊足ということもあり、スタメンで定着したら嫌な打者になりそうだ。

投手陣でも若手が活躍している。ベイスターズとの練習試合でも好投した佐藤優、三ツ間卓也の他、ルーキー丸山泰資、笠原祥太郎もストレートにキレがあり今後もチャンスがありそうだ。投打全体を通して無名の選手が今年一軍に抜擢される機会が多そうである。正捕手候補の桂依央利、福田永将は開幕に間に合わない上に、守備面や犠打など細かい所にはまだ課題がありそうだが、新しいチーム作りは順調と言えそうだ。

【中日ドラゴンズ編】他球団の分析とキャンプの注目ポイントを考える。それと、石田の開幕投手について。 - ベイスターズが負けて喰うメシは旨いか

東京ヤクルトスワローズ・原樹理】

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ベイスターズとの練習試合は1勝1敗。石川雅規館山昌平、小川泰弘、山中浩史、オーレンドルフは順調に調整しており、開幕ローテーションはほぼ確定だろう。今年活躍が期待されている杉浦稔大は社会人相手に2回3失点と2軍でもがき苦しんでおり、現段階では先発残り1枠は原樹理、ブキャナンらで争う形になりそうだ。特に原は今年からチェンジアップ習得を目指しており、ハンファとの練習試合では2回無失点の好投。ベイスターズ戦ではシリアコに一発を浴びたが、ストレートの球速は145キロを計測している。まだフォーム固めの最中だと思うが、投球フォームも昨年と比べてゆったりとした投げ方に変わっている。今の調子を維持できれば昨年被打率.442と打ち込まれたストレートの威力は増すのではないか。

一方、打線の中軸を担っていた川端慎吾椎間板ヘルニア手術で今年は見通しが厳しく、中継ぎの久古健太郎、ルーキー寺島成輝も怪我で離脱している。川端の穴は打撃好調な西浦直亨廣岡大志が三塁のポジションを争う形になりそうである。

【東京ヤクルトスワローズ編】杉浦、三嶋、野村の三人を比較してみた。あとキャンプの注目ポイントとか。 - ベイスターズが負けて喰うメシは旨いか

阪神タイガース秋山拓巳

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何気に一番見ている阪神キャンプ。ルーキー小野泰巳の評判が良く、原口文仁北條史也、中谷将大、板山祐太郎といった若手野手も成長著しいことは前回紹介したが、長年一軍と二軍でくすぶり続けている秋山拓巳が今年、開幕ローテーションに近づいている。サムスンとの練習試合では4回無失点。ストレートに力があり、ボール先行になってもストライクを取れる制球力が身に付いた。高卒1年目のデビューから秋山の投球は見ているが、今年はマウンドで落ち着きが出てきた印象である。いきなり10勝するかと言われたら自信がないが、背番号が変わった今年、キャリアハイの成績は残しそうである。

タイガースで心配なのは横田慎太郎が頭痛のためキャンプを離脱していることだろう。宮崎敏郎も同じく秋季キャンプで偏頭痛で離脱し、今キャンプではすでに1軍に合流しているが、ただの頭痛か今後も精密検査が必要なものなのか、他球団の選手ながら非常に気になる。何事も無くプレーできるよう見守りたい。

【阪神タイガース編】江本孟紀の順位予想は当たるのか。大きく変貌しそうな阪神打線について。 - ベイスターズが負けて喰うメシは旨いか

思った以上に記事が長引きそうなので、次回も引き続いて広島、巨人の期待選手を分析する!

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【キャンプ注目選手】笠井崇正の分析とプロ1年目を予想する。

自分の子どもが同じ道を歩もうとしていたら、果たして応援出来るだろうか。一般入試で入った早稲田大学硬式野球部を「自分の思うような野球が出来ない」という理由でわずか2日で退部。高校野球で140キロ中盤を計測し、プロスカウトに素質を注目された右腕は、19歳でプロ野球を一度諦めた。もともと公務員志望だったそうである。進学校の旭川西高校から早稲田大学となれば、難しい公務員試験も、倍率の高い面接も、きっとパスしていただろう。今頃旭川市役所で勤務していた可能性もあったかもしれない。

しかし、自分の可能性を信じ、プロ野球への挑戦を貫き通した事で人生が全然違うものになった。彼は今、横浜DeNAベイスターズのユニフォームを着てマウンドで躍動し、多くのファン、首脳陣に「大きな衝撃」を与えている。一番びっくりしているのは本人かもしれないが、彼と一緒にプレーした早稲田大学硬式野球サークルの仲間やBCリーグ信濃グランセローズの選手はこれぐらいやってくれるだろうと思っているかもしれない。そして、一番活躍を喜んでいるのは家族だろう。彼が今、プロのマウンドに立っているのは家族のサポート無くしては間違いなく実現していなかった。ウチの親父なら「公務員試験受けろ」の一言で終了である。キャンプ中盤の紅白戦と練習試合の2試合に好投しただけで評価するのはまだ尚早かもしれない。それでも、これからたくさんの人々に「ビックインパクト」を与えてくれそうな育成選手・笠井崇正を分析した。

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笠井崇正 1994年8月7日(22歳)

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【人 物】

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北海道旭川市出身

道北の中心都市であり、北海道では札幌に次ぐ2番目の人口規模を持つ都市である。レルヒさんもかつてスキー振興で訪れた町であり、旭川駅前の近くにあるラーメン屋が有名な町であり、スタルヒンが生まれ育った町でもある。現役のプロ野球選手ではソフトバンク明石健志が同じ旭川市出身で、とにかく明るい安村もこの町で生まれ育った。

旭川西高校は旭川でも有数の進学校で、普通科の偏差値は60。元々勉強が出来て運動も出来るタイプだったのだろう。ちなみに旭川西高校はTEAM NACSのリーダー・森崎博之音尾琢真の母校であり、学年の2つ上には元乃木坂46橋本奈々未も授業を受けていた。さすがに繋がりはないだろうが。

高校時代から野球センスは頭一つ抜けており、公立の進学校ながら143キロのストレートを武器に道内支部予選を勝ち抜き全道大会出場を果たす。プロスカウトもこの時点から注目していたが、プロ志望届を提出出来るほど結果を残すことは出来ず、早稲田大学に一般入試を経て進学する。

前述の通り、早稲田大学硬式野球部はわずか2日で退団。日ハムに指名された石井一成や、阪高・竹内諒木更津総合高・黄本創星らスポーツ推薦組と一般入試組では、扱いも大きく異なるはず。「思うような野球が出来ない」と思った笠井は名門硬式野球部ではなく、硬式野球サークルでのびのびとプレーしたり少年野球のコーチのバイトをしながら野球生活を送る道を選択する。高校まで野球に打ち込み、一般入試で大学進学した人は、わりと同じような経験している人が多い気がする。普通はここでプロ野球への道は閉ざされるものだが、スポーツ科学部の研究の一環で自分の投球フォームを解析し、地道にトレーニングを重ねていった結果、試合で141キロを計測するようになった。野球同好会の試合で140キロ出たらびっくりするのは当然である。これがきっかけで、よりトレーニングと投球動作解析に打ち込むようになり、諦めかけていたプロ野球への道が再び見えてくるようになった。

大学3年生の秋、笠井はBCリーグの合同トライアウトを受験する。トライアウトで投げたストレートは146キロを計測。この時も打者4人に対して無安打2奪三振と完璧な投球だった。今のベイスターズファンのように、BCリーグのスカウト達に「ビッグインパクト」を与えていたのは想像に難くない。一方、笠井がトライアウトを受けていた少し前の夏、ドラフト1位濱口遥大は大学日本代表に選出され、国際大会を戦っていた。濱口が2016年のドラフト目玉投手として注目を浴びていたのと対象的に、笠井もBCリーグ信濃グランセローズの選手として静かにプロ野球への道を目指すことになる。

【分 析】

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信濃グランセローズでは主にセットアッパーとして35試合に登板。WHIP0.97が示すように主力投手として活躍した。トライアウトで計測した146キロのストレートは最速151キロまで球速が伸びた。今キャンプでもすでに147キロを計測を計測しており、まだまだ球速が伸びる余地はありそうだ。投球スタイルはハンファとの練習試合を見る限り球質の重いストレートを軸にして、縦軌道のスライダーとスプリットで空振りを誘う感じだろうか。スライダーは変化量が大きく、右打者は軌道をイメージできないとミスショットや空振りを充分狙えそうだ。また、動画ではほとんど使っていないが緩いカーブも球種として持っているようである。

印象としてはストレートを軸にした速球派の投手だが、昨年の与四死球率は2.19とコントロールには安定感がありそうだ。制球難に苦しむパワーピッチャーが多い中、カウントがボール先行になってもストライクゾーンに集める投球が出来るのは笠井の強みだろう。被本塁打率0.49はNPBではかなりいい数字だが、BCリーグ平均が0.51なのでプロではいかにゴロを打たせられるかが鍵になりそうである。

【プロ1年目の予想】

現在のベイスターズの支配下登録選手は67名。猛アピールを続ける網谷圭将は怪我がない限り今シーズンで支配下登録を勝ち取れるだろう。となると、開いている枠は2枠。あとは新外国人の活躍が重要なポイントになってくる。新外国人達が期待はずれに終わった場合、ここ数年オールスター前頃に緊急補強を行ってきている。特に今年は先発候補のクライン、ウィーランドや抑え候補のパットンなど、重要なポジションの補強を新外国人に託しているため、彼らが期待はずれだった場合、チームに大きな影響を及ぼす。成績を残せなければすぐに渡米して緊急補強策を練ってくるはずである。

一方、笠井の現時点での起用法は「右の中継ぎ投手」。正直言って「ある程度替えがきく」ポジションだけに、2軍戦で安定した結果を残せないと貴重な支配下登録枠を獲得するのは難しいだろう。

NPBでスカウト経験もある信濃の三沢今朝治会長は、笠井の強みを三つ挙げる。


「一つは、身体能力。たった半年のトレーニングで150キロを超える投手は滅多にいない。
二つめは、これだけの球を投げながら、まだ成長途上にあること。
三つめは、自分で考えたことを実際に行動に移し、結果を出せること。だから笠井はこれからも伸びますよ」

 

 引用:VOL.7 笠井 崇正 (信濃グランセローズ)投手#20 - BCリーグ

とはいえ、今シーズンで支配下登録枠を獲得する可能性が無いわけではない。信濃の三沢会長が笠井に対して「まだまだ伸びしろがある」と評するように、ストレートのMAXが151キロで留まることはおそらくないだろう。目標とするソフトバンク五十嵐亮太のようにコンスタントに150キロ以上の球速を出せるようになれば、ベイスターズ投手陣の中でも屈指の速球派として君臨できる。短期間で球速アップを求めるあまり、投球フォームを崩すようなことはあってはならないが、どういうトレーニングをしたらフォームを崩さずに効率よく球威を向上できるか、という課題を一番熟知しているのは笠井本人だろう。今の状態を維持するのは困難だと思うし、どこかで課題も出てくるだろうが、じっくりトレーニングして試合経験を重ねていけばおそらく凄い投手になる。開幕一軍を勝ち取り躍動する姿も見たいが、2軍で地道にトレーニングを重ねてさらなる「ビッグインパクト」を与える投手になってほしい。個人的にはそうなることを期待している。