時計仕掛けのロマック

横浜DeNAベイスターズ応援ブログ。外野席ではなく内野席から見るようなブログ。

【2月15日】vsハンファ・イーグルス(練習試合)

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【試合前の展望】

ルーキー濱口遥大が先発。ブルペン、フリー打撃の登板をそつなくこなし、首脳陣の評価も上々である。とはいえ、初の対外試合のマウンドに上がれば課題も出てくるだろう。キャンプ疲れもピークになる頃なので思うような投球を披露できなくても仕方ない、という予想である。紅白戦で好投を見せた笠井崇正、野川拓斗をはじめ、中継ぎ陣は全体的に順調に調整しているようだが、特に注目は高崎健太郎だろう。怪我の影響もありここ数年は本来のストレートの球威を取り戻せないでいた。その間、スライダー、シュートの横の揺さぶりで打者を打ち取るスタイルになったり、チェンジアップを取得したり試行錯誤を続けている印象だが、2軍首脳陣から推薦があるという事は相当調子を取り戻しているということだろう。どういう投球をするのか楽しみな選手である。

打線は筒香嘉智、ロペスがスタメン入りするなど、開幕を意識したラインナップになった。相手投手は速球派のアレクシー・オガンド。まだ150キロ近いストレートに対して目が慣れていないはずなので打ち崩すのは容易ではないが、キャンプで意欲的に取り組んでいるスモールベースボールが機能すれば試合は優位に持っていけるだろう。

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ベイスターズ投手陣が完封リレーでハンファ戦を勝利。先発濱口はMAX147キロを計測するなどストレートの球威に威力があった。2回はチェンジアップも有効に使い、ストライク先行の安定感ある投球で2回無失点。後を受けた進藤は時折高めの甘いコースに変化球が集まる場面はあったが、外角中心の打たせる投球を見せた。高崎は良くも悪くも荒々しさが戻ってきた印象で、ストレートの球威もあった。その後を投げた笠井、野川は好調さを見せつけるような投球。この試合での投球が維持出来れば今年は一軍のセットアッパーとして投げることも可能じゃないかと思えるような内容だった。

一方、打線は、相手先発オガンドの速球に差し込まれなかなか点が奪えなかった。この試合通して全体的に初球の甘い球を見逃す場面が目につき、ファーストストライクから積極的に打とうとしていたのは桑原ぐらいだっただろうか。タイムリーを打った乙坂、嶺井は今キャンプの好調さを印象付けた。2人共、バッティングの精度はかなり良くなっており、今年は結果を残せるような期待感がある。成長しているのは網谷、細川だけでは無さそうだ。

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【笠井崇正】◎

圧巻の一言である。2回を投げて4連続三振を奪う投球で「ビッグインパクト」をファン、首脳陣に植え付けた。140キロ中盤のストレートとスプリットにはキレがあり、カウントが悪くなってもストライクゾーンに投げ込める威力と制球力もあった。パットンの加入も有りベイスターズブルペン陣がかなり充実してきたが、「右のパワーピッチャー」というタイプは平田真吾国吉佑樹あたりしかいなかった。笠井が台頭してくれば三上朋也、田中健二朗と違うタイプのリリーフが登場することになり、より中継ぎ陣が強力になるだろう。好調を維持していけば開幕前に支配下登録を狙えそうだ。

【野川拓斗】◎

個人的にはこの選手が躍動していたのが一番嬉しかった。昨年のドラフト指名された際、鷲宮製作所時代の投球を動画で見ていたが、とにかくどの球種にもキレがある。小柄ながら強気にインコースを投げ込む姿は、ロッテ・成田翔の完成形みたいというか、阪神高橋聡文の一番良かった時を思わせるような印象だった。プロではストレートの球威が足りず、怪我の影響もあり昨シーズンは一軍でほとんど見られなかったが、今年は期待できそうだ。田中健二朗に続く左の中継ぎ投手として大原慎司らと競い合ってほしい。

【濱口遥大】◯

ストレートのMAXは147キロ。チェンジアップとのコンビネーションも冴え、非常に安定感ある投球だった。韓国打者はストレートに上手く対応できず、チェンジアップは目線から消えるような感じだったので相当手を焼いただろう。キャンプの疲れを感じさせず、この日はストライク先行でどんどん投げ込んでいったが、次回はもう少し長いイニングを投げることになりそうだ。打者も2巡目以降になると対策を練りながら攻略法を探るはずなので、次回の投球でどうなるか、楽しみである。

高崎健太郎】△

ストレートに球威はあるが、2ストライクと追い込んでからなかなか打者を打ち取ることが出来ない事は高崎の永遠の課題だった。この日も2ストライクと追い込んでから打者にファールで粘られ並行カウントまで持っていかれる、という場面が有り、まだまだ一軍選手枠に合格、という状態ではなさそうな印象である。

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【2月13日】vs阪神タイガース(練習試合)と15日の練習試合の展望

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【試合前の展望】

2017年初の対外試合の相手は阪神タイガース阪神の先発投手はプロ3年目の横山雄哉。打撃投手としてマウンドに立っていたが、フォームにややばらつきがあり、制球面、球威ともまだ課題は多そうである。また、WBCに向けて藤浪晋太郎が2イニング登板予定となっている。すでに154キロのストレートを披露し、調整具合は順調そうだ。打線は中谷将大、北條史也、糸原健斗など好調の選手がスタメンで並び、新外国人のキャンベルもスタメンを直訴して5番での起用となっている。

ベイスターズ今永昇太が対外試合のオープニングピッチャーに指名された。連日の投げ込みで調子は6~7割ぐらいだろう。予定の3イニングを2点以内で抑えられれば上出来といったところか。紅白戦で猛打賞を打った桑原将志ら打線は順調に調整を進められているので、筒香嘉智ロペスを欠いても充分得点が見込めそうだ。期待のルーキー細川成也はベンチスタート。代打で出場することになりそうだ。

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初回から見せ場の多い試合だった。阪神の先発横山は立ち上がりからボールが高く、アウトになった桑原、田中浩も高めに浮いた球をしっかり捉えたような当たりだった。3番網谷も高めのストレートを強打。バックスクリーンに飛び込む特大アーチを放ち、ベイスターズが先制する。先発今永もMAX143キロと調子は6~7割程度といったところだったが、要所を締め3回1失点の内容。バトンを受けた平良も2度の牽制アウトで阪神に行きかけた流れを引き戻し、3回無失点と結果を残した。6回は制球に苦しむ青柳を攻め、2アウト満塁の場面でルーキー狩野がショートを抜ける2点タイムリーで追加点を上げる。7回には紅白戦で三嶋から3塁打を放つ活躍を見せた細川が打席に登場。島本に変化球で追い込まれるも、決めにいったストレートを完璧に捉え網谷に続いて見事ホームラン。期待の若手が大活躍を見せてベイスターズが2017年の対外試合初試合で初勝利を達成した。

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【網谷圭将】◎

相手先発の横山は立ち上がりボールが荒れており、失点する気配はあった。とはいえストレートで追い込まれた状態から甘い球を見逃さず一発で決めたのはさすがのセンスである。打撃フォームに無駄がなく、スイングした時も頭がほとんどブレていない。その後の打席も期待を抱かせる大きな飛球を放つなど存在感を見せた。第三打席はストレートの四球で出塁したが、高卒2年目の育成選手相手にカウント悪くなったら勝負をしないなんて、今まで見たことなかった。

【細川成也】◎

外角のボールに手を出し2ストライクと追い込まれるも、甘く入った球を網谷同様見逃さなかった。打った瞬間は外野フライかと思ったが、ぐんぐん伸びてそのままスタンドイン。打球の質を見ていると滞空時間が非常に長い。ブランコや筒香のようにゴルフのドライバーショットのような突き刺さる打球では無く、新井貴浩中村剛也の打球に近い印象である。今後は2軍で調整するようだが、この試合のように外しにいったボールが甘めに入る→細川が見逃さずホームラン、という場面は何度か見られそうだ。

【今永昇太】◯

連日の投げ込みもあり調子は万全ではなかったが、低めにボールを集め、要所を締める投球を見せた。3回を投げてストレートのMAX143キロで平均140キロ前後。失点した2回はストライクボールがはっきりした内容だったため、甘く入ったストレートを狙い打たれていたが、崩れそうな場面で崩れなかったのはさすが。本人も「調子が悪い状態でいかに抑えるか」がテーマの投球だったと思うが、課題と収穫両方得た登板になったはずである。昨年と違い、先発の座を獲るために猛アピールする立場ではないので、開幕に向けしっかり照準を合わせてくれそうだ。

【倉本寿彦】◯

キャンプでは打撃フォーム改造に取り組んでいたようだが、練習試合では昨年の調子良かった時に戻したようなフォームだった。2回にライト前ヒットを放つなど結果も残したが、逆方向にファールを何度も打ったり持ち味を発揮した内容を見せた。

 

そして本日の練習試合の相手は韓国・ハンファ・イーグルスである。

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相手先発は元レンジャースのローテーション投手、アレクシー・オガンド。ストレートとスライダー、シンカーを軸に組み立てる投手で、特にストレートには威力がある。仕上がりは韓国のキャンプの方が早いため、ストレートに差し込まれて凡打の山を築く展開になるかもしれない。彼もドミニカ共和国出身でサンペドロ・デ・マコリス出身なので、同郷のエリアン、シリアコの打撃に期待している。

ハンファ打線の軸は元ロッテ・金泰均ウィリン・ロサリオ。今年34歳になる金泰均だが、昨シーズンは144試合に出場して打率.365、本塁打23本、打点136点と相変わらず大活躍していた。ドミニカ出身のロサリオは主に一塁を守り、チーム最多の本塁打33本を放ち、金泰均と共に打線の中軸を担った。まだ年齢も27歳と若いため、今後日本に来日する可能性もある選手である。スタメン出場するかわからないが、彼ら相手にルーキー濱口や進藤、笠井がどういう投球を見せるか注目である。

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【キャンプ注目選手】細川成也の分析とプロ1年目を予想する。

そういえば、元飲食店経営者だった。

headlines.yahoo.co.jp

確かにベイスターズというチームを料理に例えると「鍋」かもしれない。暗黒時代は得体の知れない外国人助っ人や負のオーラを纏った選手が混沌と入れ混じった「闇鍋」。少しずつ「アク」を取り除き、色んな「具材」を投入するも今ひとつ味がハッキリしなかったここ数年の「寄せ鍋」。今年は筒香嘉智、今永昇太、山崎康晃というメインの「牛肉」がドンと居座り、桑原将志、須田幸太、戸柱恭孝「ネギ」「白菜」「焼き豆腐」といったざく切り野菜達も充実している美味しくて豪華な「すき焼き」になりそうだ。今年もすき焼き目当てに多くのお客さんが集まる一年になるだろう。ただし、すき焼きで一番重要なのは「割り下」である。砂糖や醤油の分量次第では具材がどれだけ良くてもガッカリ味の鍋料理。美味しいすき焼きになるかどうかはシェフ・ラミレスの手腕次第だ。

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12日は紅白戦だった。去年の紅白戦の内容をあまり深く覚えていないように、この試合の結果はさほど重要ではない。それでも昨年の紅白戦でプロ初試合を飾った戸柱が先輩投手に臆すること無くマウンドで声を掛けたり、飛雄馬が左投手相手に強さを見せたり印象に残るポイントはいくつかあった。

だが、今年の紅白戦は残念ながらほとんど試合を見ることができなかった。そのため、色んな人のブログを見たり、まとめサイト見たりしながらの記事になるため、ある程度憶測で記事を書くことになるが、試合は11-4で白組の圧勝。飯塚悟史はアピール出来なかったが、桑原将志田中浩康、嶺井博希らが好調さを見せつけ、育成1位のルーキー笠井崇正がMAX146キロのストレートで打者を捻じ伏せ、2回無安打無失点と衝撃的なデビューを飾るなど見所は多かったようである。

ここ数日、一番メディア、ファンから注目されている高卒ルーキーも紅白戦でいきなり結果を残したようだ。網谷圭将と並ぶ将来の大砲候補細川成也である。

フリー打撃では高卒ルーキーとは思えない打球で柵越えを連発し、紅白戦でも三嶋一輝からタイムリスリーベース。否が応でも期待が高まるが、周囲が持ち上げすぎると却ってプレッシャーになりそうだ。この「未完の大器」がどれだけ活躍できるか検証してみた。

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細川成也 1998年8月4日(18歳)

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【人 物】

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茨城県北茨城市出身、と思いきや公式プロフィールは「神奈川県出身」になっていた。

北茨城市茨城県最北端の市であり、福島県と県境にあたる。かつては常磐炭田(じょうばんたんでん)という都心に最も近い大型炭鉱があり、多くの炭鉱労働者で溢れていたそうだ。自然豊かな町で、紅葉の名所として知られる花貫県立自然公園、五浦海岸(いづらかいがん)など観光地としての見所も多いようだが、東日本大震災では海岸沿いに甚大な被害が出た。細川の連日のニュースはきっと地元で特に注目されていることだろう。これからも地元に明るいニュースを届けられる選手になって欲しい。

長さ約70cm、重さ約300gのロケット状の投擲物(ターボジャブ)を投げる種目、「ジャベリックスロー」で中学時代全国2位の実績を持つ。高校進学後、進路を野球一本に決め、明秀学園日立ではかつて巨人・坂本勇人、ロッテ・田村龍弘阪神北條史也らを指導した経験をもつ金沢成奉監督の元、のエース兼4番打者として活躍する。高校通算63本塁打とチームメイトの糸野雄星とともにプロのスカウトも早い段階から注目していたようだが、高校入学当時はパワーに技術が追いついておらず、タイミングの取り方でかなり苦戦を強いられたようだ。金沢監督はインタビューで細川について「非常に不器用な選手で、ひたむきにコツコツと取り組むことが出来る選手」と評している。地道なトレーニングが実を結び、3年生夏の霞ヶ浦戦で推定飛距離140メートルの特大弾を打ち一気にドラフト候補に名乗りを挙げた。長打力が注目されているが、身体能力全般で高い水準を持っており、脚力もチーム内で速い部類に入っていたようだ。

投手を経験したことで、投手心理を読んで打てるようになった、と本人もインタビューで答えているが、ツボに入ったら規格外の打球を飛ばす。個人的には変化球への対応などまだまだタイミングの取り方で課題がありそうで、一軍レベルになるのはあと3~4年ぐらい先になるような印象を持っていた。なので、今回の一軍抜擢には相当びっくりしていた。私がである。

【分 析】

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今日の紅白戦、三嶋からスリーベースヒットを打った打席である。連日の投げ込みでおそらくどの投手も身体が重い状態で投げているはずだが、この動画を見る限り三嶋のストレートの状態はよく、140キロ中盤ぐらいの球速は出ている気がする。細川からしてみれば実戦ではほとんど経験したことがないぐらいの球速だが、4球目の外角ストレートを外野まで見事に飛ばした1~3球目まで全てストレートで、細川もストレートに的を絞ってただろうが、4球目は身体が上手く反応して打った、という感じだろうか。元々身体能力が高い選手だが、多くの場合は打ってもファールになる球だろう。打席での雰囲気、ボールの見逃し方を見ても高卒ルーキーとは思えないほど堂々としていて、改めて細川のポテンシャルの高さを感じる打席である。

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既に中田翔アレックス・カブレラといった右の強打者と比較される細川だが、現在球界を代表する強打者の高卒1年目の成績はどうだったのか。上の図に名前を挙げた選手は皆高卒1年目からポジションを獲得し、筒香や中田は2桁本塁打と期待通りの結果を残していた。中田以外はプロ1年目からフレッシュオールスターに選出され、スタメンにも抜擢されている。ちなみに中田もプロ2年目にイースタン・リーグの4番としてフレッシュオールスターに出場し、4打数2安打2打点の活躍で見事にMVPを飾っている。ベイスターズはドラフト指名順位に関わらず高卒1年目から積極的に試合に出場させる球団方針があるため、関根大気青柳昴樹百瀬大騎らは高卒1年目から150打席以上経験している。今年も細川だけでなく松尾大河もファームで積極的に起用されることになるはずである。筒香の成績だけ飛び抜けているので5人の平均本塁打数が9本と、少しハードルが上がってしまったが、細川、松尾も5人の平均成績に近づくことが出来れば2年後3年後の期待はさらに膨らむだろう。

理想の1年目としては

①ファームで100試合出場、300打席以上経験する。

フレッシュオールスター選出。

③フェニックスリーグ、秋季キャンプのメンバー入りで強化指定選手に選ばれる。

関根は高卒1年目からすでに走攻守で高いセンスを持っていたが、青柳は夏までほとんどヒットすら打てていなかった。しかし、猛打賞を打った試合を境に打球が外野まで飛ぶようになり、フェニックスリーグ、秋季キャンプでは強化指定選手に選ばれた。小川打撃コーチなど1軍コーチから直接指導を受ける機会もあり、手応えを掴んだ状態で臨んだ台湾ウィンターリーグでは全16試合に出場し打率.267、本塁打1本と結果を残した。筒香や中田のように結果を1年目から残せなくても試合で打席を重ねていけば成長する土壌が出来つつある。これは非常に大きなポイントだろう。一方で細川と同じポジション、打順を争うライバルにとってはうかうかしていられない状況になった。例えば細川と同じように「右の4番候補としてドラフトで指名された山本武白志にとっては早くも正念場が訪れたことになる。三塁守備では成長を見せているようだが、今年は打撃成績で何が何でも結果が求められる一年になりそうだ。これは現時点で高い評価を受けている網谷や青柳も同じである。こうした競争原理が選手のさらなる飛躍に繋がるはずなので、20歳前後の若手たちの熾烈な「出世競争」も今シーズンの見所になりそうだ。

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倉本寿彦は何故、レギュラーの座を掴む事が出来たのか。

「プロフェッショナル-仕事の流儀-」を何気なく観ていた人は結構いるのではないだろうか。日本を代表する脚本家であり、「北の国から」の生みの親、倉本聰氏が出演していた。82歳を迎えた現在でもドラマ制作に対する情熱は衰えておらず、脚本と真剣勝負に向き合う様は鬼気迫るものがあった。1000ページに渡る新たな脚本を創り上げるために膨大な時間を思考に費やす。常に脚本を書いていないとあっという間に感覚が衰えていく、という言葉の重みを感じながらこの番組を観ていた。

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82歳の老脚本家が毎日机に向かい、脚本と真剣に向き合っている。その一方で私のような末端ブロガーは、ネタが思い浮かべばブログを書き、ネタが無ければ猫と遊んで寝床に着く。そんな生活を送っている(一応仕事はしているが)。だからというわけではないが、今回取り上げるのはベイスターズ不動のショートストップであり、セイバーメトリクスに嫌われる男倉本寿彦である。

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倉本寿彦 1991年1月7日(26歳)

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【分 析】

ⅰ)守備面に関する考察

2008年に石井琢朗が退団してから、ベイスターズはポスト石井琢朗を見つけることが一番の課題とされていた。球界を代表する名ショートストップの後継者はそう簡単に見つかるはずもなく、2009年、2010年と石川雄洋規定打席に到達した以外では誰一人ショートのレギュラーの座を掴むものはいなかった。そういった背景を考えると、昨年、レギュラーとして141試合出場した倉本の台頭はベイスターズにとって非常に大きなポイントになったと言っても良かった。ショートが固定されたことで、安定した試合運びが可能になった結果が11年ぶりのセ・リーグBクラス脱出であり、球団史上初のクライマックスシリーズ出場であった。そう考えると、倉本の評価はもっと高まっても良いはずなのだが、「守備範囲が狭い」「長打に期待出来ない」など、どうもファンの声は少し厳しいように感じる。もちろん期待の裏返しであり、いずれは倉本自身も尊敬する石井琢朗のようになってほしいという願いも込めてのことだと思うが、個人的にはセ・リーグを代表するショートストップだと思っているので、まずは守備から倉本の特徴を分析する。

野球選手の守備力を測る物差しとして、アルティメット・ゾーン・レーティング(UZR: Ultimate Zone Rating)(以下UZR)というセイバーメトリクスの指標がある。この指標では、グラウンドを細かな「ゾーン」に区分し、対象の「ゾーン」内に飛んできた打球に対して適切に打球処理が行われたかどうかを判定する。例えば、同じ「ゾーン」に飛んできた打球に対して、Aという選手は難なくアウトにしたが、Bという選手は打球に追いつくことが出来なかった。この場合、UZRにおける「守備範囲」の評価はA>Bになる。しかし、守備力というものは「ゾーンにおける守備範囲」だけでは評価の物差しとしては不十分である。そのため、総合的な守備力を測る要素としては、「守備範囲」以外にも「守備の堅実性」「内野手同士の連携性」といった項目も考慮する必要があり、それぞれの項目の数値から、総合的な守備力の指数を出した指標がUZRとなる。総合的な視点から守備力を数値化するため、UZRが高い選手ほど守備の上手い選手であり、UZRが低い選手は守備に不安がある、というように判断できるようになった。

上の文章を簡単にまとめると

内野手の守備力を評価する指標としてUZRという指標がある。

・UZRは「守備範囲」「守備の堅実性」「内野守備の連携性」といった要素を掛け合わせて選手の守備力を評価する。

・UZRの数値が高いほど「守備力の高い選手」となる。

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参考データ:1.02 - Essence of Baseball | DELTA Inc.

上の図は昨年におけるUZRの各指標の数値である。中日・堂上直倫だけは2015年のデータを探し出すことが出来なかったが、カッコ内の数字は2015年の各選手のUZRの数値である。こうして見ると、UZRに関しては巨人・坂本勇人セ・リーグトップの13.1とダントツの評価を得ている一方で、倉本に関しては-10.5と守備面で大きなハンディキャップを抱えていることがわかる。守備範囲(Range Runs)の指標の差がそのままUZRに反映された形だが、守備の堅実性(Error Runs)という項目では巨人・坂本が1.1と平均的な数値なのに対し、倉本は5.9であり、堅実性という視点ではセ・リーグトップの評価を得ている。これらの数値を見ると、坂本が処理できた打球を倉本は追いつくことが出来なかったが、坂本が無理な体勢から送球し、結果悪送球になってしまった打球も、倉本なら難なくアウトにしていた、ということになる。

先程、UZRの高い選手=守備が上手な選手と表現したが、個人的にはUZRは選手の守備の特徴をより具体的に表す指標だと思っている。各項目の数値を元に選手の守備に対する特徴を書いてみたが、おおよそ皆さんのイメージもこの特徴に近いのではないだろうか。倉本は確かに守備範囲が狭い事は課題と言えるが、内野守備における堅実性は「守備職人」といった言葉が似合う安心感がある。石井琢朗は強肩を活かした華麗な守備が魅力の選手だったが、倉本は元日ハム・奈良原浩阪神久慈照嘉のような「いぶし銀」と呼ばれるようなタイプだろう。おそらく彼らもUZRという総合的な守備評価から見ると決して数値は高くない気がするが、グラブ捌きやスローイングの正確さは素人目に見ても上手だった選手である。

一口に「守備の上手い遊撃手」といっても、UZRの指標を見ると色んなタイプがあることがわかる。倉本は基礎を忠実に守っている「堅実型」であり、坂本や田中は身体能力の高さを活かした「冒険型」だろう。子どもたちは坂本勇人田中広輔のような華麗な守備に憧れるだろうが、指導者の立場からすると倉本寿彦大引啓次のような正確なスローイングや状況判断力を身に着けてほしい、そんなイメージだろうか。

以上をまとめると

①倉本の守備範囲に関しては、セ・リーグの他の遊撃手と比較して課題がある。

②一方で、守備の堅実性はセ・リーグトップクラスの水準を持っている。

石井琢朗タイプというよりは、将来的に「いぶし銀」と呼ばれるタイプの選手になっていく可能性がある。

www.plus-blog.sportsnavi.com

セイバーメトリクスにおける守備指標は奥が深く、今後も様々な指標が登場すると思う。UZRの指標を使った選手分析をされている方も多く見られるが、特にこのブログでは倉本の指標が悪化した要因を考察しているため、色々参考になる事が多かった。倉本のUZR指標が大幅に改善される可能性も充分ありそうである。

ⅱ)打撃面に関する考察

社会人・日本新薬時代は足を大きく上げる一本足打法で、右中間を破る長打も打てる選手だった。しかし、一軍クラスの投手の球を相手にすると、全く成績を残すことは出来ず、ルーキイヤーの2015年はプロの壁にぶつかった。迎えたプロ二年目。倉本がプロで生き残るために磨いたのがヤクルト・川端慎吾のようなバットコントロール技術だった。大胆な打撃スタイルの変化だったがこれが功を奏した。倉本は開幕戦からヒットを重ね続け、序盤のチームに漂っていた負の流れを何度もバットで振り払っていた。時に打線の中軸を任される機会もあるほど打ちまくり、昨年はキャリアハイの141試合出場で打率.294と結果を残した。昨年のように倉本が下位打線の起点になれば、ベイスターズの打線はさらに攻撃力が増すだろう。今年も打撃面で期待ができるのか分析した。

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倉本は基本的に早いカウントから積極的に振っていく打撃スタイルを取っている打者である。初球打ちに関しても、2015年は.205と結果を残せていなかったが、2016年は.408と非常に得意としている。IsoD四死球によってどの程度出塁したかを示す指標)は0.03~0.04となっており、平均的な打者と比べて四死球を選ぶことが少ない打者と言える。また、BB/K(四球と三振の比率で、四球数が多く三振数が少ない打者ほどこの数値が高くなる。)が2015年と比べて数値が上がっていることから、ルーキーイヤーと比べて三振の割合が減り、四球の割合は増えたことがわかる。とはいえ、セイバーメトリクスの観点からすると四死球率が低い傾向に変わりないため、打率の割に出塁率が伸びていないことが評価に繋がっていない要因となっている。

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打席では三振が減り、安打も大幅に増えたことがわかる。打球方向別の打率から見ても、ヤクルト・川端のようなバットコントロールを身に着けたことで、どの方向にも万遍なくヒットゾーンに打てるようになった。相手チームの外野手も倉本の打席では右寄りに守っていたが、相手の守備位置に合わせてヒットを重ねる場面が昨年は多かった印象である。

【2015年】

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【2016年】

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©データで楽しむプロ野球http://baseballdata.jp/

最後に球種別の安打割合で2015年と2016年を比較した。一番大きく変わったのはストレートに対する打率である。2015年は.216と苦戦していたストレートだったが、2016年は.311と大幅に改善されている。巧みなバットコントロールを身に着けたことでヒットゾーンに狙い撃てるようになったことが3割近い打率を維持できた理由だと思うが、ストレートに対する苦手意識を克服したことも大きかったのだろう。また、対左投手に対しては2015年は.135と全く打てていなかったが、昨年は.317と全く苦にしていなかった。左投手のチェンジアップなどにはまだ対応に課題がありそうだが、左右関係なく打てていた事は自信になるだろう。

以上の打撃データから、倉本が打撃面で進化した要因として、

①バットコントロールに磨きがかかったことで、どの方向にもヒットが打てるようになった。

②ストレートに対する打率が.311と苦手意識を克服した。

③対左投手相手にも.317と左右関係なく結果を残した。

【今後の課題】

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実は、昨年のキャンプ、オープン戦の打席を見て、「おそらく今年も打撃で期待は出来ない」と思ったのが倉本だった。ミスショットが多く、外角に外れたボールにも手を出す姿を見続けるとさすがに不安になっていた。今年のキャンプでもフリー打撃で少し強い打球を飛ばそうとしているのかフォームを色々試している様子である。2015年のようにライト方向に打球が集中している姿が印象的なのだが、キャンプが終わった時、果たしてどうなっているのか非常に注目している。

ただ、倉本に関してはいかに夏場を乗り切れるかが一番の問題だろう。

オールスター戦までは打率.316と好調を維持できていたが、8月の打率は.218。9月に入っても打撃不振は変わらず.213と低迷し、最終的に打率3割を逃すシーズンになってしまった。山崎憲晴も数年前、夏を迎えた瞬間に打撃面も守備面も一気に悪化したことがあったが、想像以上にショートを一年間守り通すというのは過酷なことなのだろう。阪神鳥谷敬広島・田中広輔巨人・坂本勇人らを見ているため、「ショートは一年間固定されるべき」という考えが一般的だが、倉本のコンディションが良くない時は怪我から復帰した山崎や、柴田竜拓狩野行寿ら若手をバックアップメンバーとして起用するのも有りだと個人的には思う。

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【キャンプ注目選手】濱口遥大投手の分析と課題を考える。

隣の芝生は青く見えるというのは本当だ。ベイスターズキャンプと並行して阪神タイガース宜野座キャンプもじっくりも見ているが、投手陣の仕上がりが非常に早い印象を受ける。昨年10勝を挙げ、今年もローテーションの一角を担うであろう岩貞祐太ブルペンでの投球を見ているとエースの風格すら感じる堂々とした投球を行っている。セットアッパー候補松田遼馬、岩崎優はもう一皮剥ける必要があるかという印象を持っていたが、フリー打撃でマウンドに上がると、ストレートの威力が以前より増しており、成長を感じさせる投球を披露していた。野手陣に関しては糸井嘉男が出遅れていることもあり、全体的にまだこれからじっくり調整する、といった感じだろうか。ただし、北條史也中谷将大といった若手野手は打球の伸びが予想以上に増していた。ブレイク前の桑原将志がこんな感じだったな、という思いでフリー打撃の様子を見ていた。

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順調そうなキャンプを送っているタイガースにおいて、一際目立つ投手がいた。ドラフト2位で富士大学から指名された小野泰己である。西武・多和田信三郎の後を継ぎ、富士大のエース格としてMAX152キロのストレートを武器にしていた投手だが、キャンプでブルペンの投球を見ていると、全く無駄な動作のない綺麗な投球フォームで投げ込んでいた。解説者の湯舟敏郎「少年野球のお手本になるフォーム」と評していたが、まさにそんな印象の投手だった。ストレートの質もスピンが効いていて藤川球児楽天岸孝之、元中日・中里篤史のようなタイプといった感じだろうか。ブルペンでの投球を見ただけなので、実戦になると変化球が課題だったり、細かいコントロールに課題を残す可能性はあると思うが、いずれはタイガースの主力投手になる。そんな予感がする「ロマン枠」の投手である。ちなみに小野は北九州出身なので、今永昇太は小さいときから知っていたそうだ。

ベイスターズにもルーキーで目立つ投手がいた。神奈川大学からドラフト1位指名された濱口遥大である。思えば、ドラフト直後は小野にしても濱口にしても四死球率の悪さから「地雷」扱いされていた選手だった。しかし、ブルペンでの投球を見る限りポテンシャルの高さは相当あるように感じるし、前評判に反して一気に飛躍する可能性がある。そんなベイスターズのドラフト1位にして将来性豊かなサウスポー、濱口遥大投手を分析した。

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濱口遥大 1995年3月16日(21歳)

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【人 物】

佐賀県三養基郡基山町出身

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佐賀県の最東部に位置し、福岡県と県境にあたる町である。福岡市、久留米市鳥栖市などの周辺都市のベッドタウンとなっており、人口17,405人ののどかな町が濱口の生まれ故郷である。「丸幸ラーメン」という、九州のラーメンフリーク達に長年愛されている豚骨ラーメンのお店もある町である。ちなみに巨人・長野久義基山町出身なので、何かしら接点もありそうだ。二人とも、丸幸ラーメンに通いつめていたかもしれない。

三養基高校では140キロ左腕として注目を浴びたが、甲子園出場を果たせず神奈川大学に進学。1年生春から先発投手を任される活躍を見せ、2年生になるとストレートの球速も150キロをマークするようになりプロから注目を浴びるようになった。2014年ハーレム国際大会では、大学2年生としてはソフトバンク田中正広島・加藤拓也らと共に日本代表メンバーに選出される。この時クローザーとして活躍したのが山崎康晃であり、仙台大学3年生だった熊原健人柴田竜拓も代表メンバーだった。翌年の2015年ユニバーシアード大会にも故障で代表辞退した今永昇太の代役で日本代表入りを果たし、NPB若手選抜との壮行試合では先発投手に抜擢された。西武・山川穂高にホームランを浴びるなど、2回7安打2失点とプロの洗礼を浴びた結果に終わったが、140キロ後半のストレートで空振りを奪うなど、大器の片鱗を見せ2016年のドラフトの目玉投手との呼声がかかるまで成長する。ベイスターズ野手との対戦は無かったが、柿田裕太、平良拳太郎はこの試合にNPB選抜メンバーとして出場している。

4年生になった2016年も大学日本代表に選出され、アメリカ戦ではドラフト2位水野滉也とのリレーも実現。日本代表経験が豊富なだけに、プロに入っても繋がりが多そうだ。

【分 析】

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ドラフト1位の大卒左腕ということで、何かと今永昇太石田健大と比較される濱口だが、タイプ的には真逆の投手と思われる。今永にしても石田にしても、大学当時から外角低めの制球力が生命線の投手であり、速球、変化球、ボールの出処が見にくい投球フォームなど、投手としての総合力が非常に優れていた印象がある。濱口も最速151キロの速球と、落差の大きいチェンジアップを武器にしているが、ボールの強さと球速差で打者を抑えるパワーピッチャーであり、即戦力というよりは素材型。そんな印象の投手である。これは熊原健人や福地元春にしてもそうだが、ボールの強さで打者を抑えるタイプの投手は、コンディションが良い時は問題なく打者を抑える力量はあるが、シーズン通してコンディションを好調のまま維持するのは不可能なので、必ずどこかで壁に当たる。ストレートが走らない時、決め球のチェンジアップやスライダーが見切られた時にどういう投球ができるかが課題だろう。

とはいえ、3年間の成績で見ても、年々投球内容は改善され、奪三振率も2015年から2016年では大きく改善している(2015年:6.1%→2016年9.1%)。大学日本代表でチームメイトだった田中正からフォークの握りを教えてもらい、投球の幅が拡がったようだが、荒れ球とチェンジアップで強気に押しまくる投球スタイルから少しずつ変化も起こしているようである。

 そして濱口を評する際、避けても通れないのが制球力だろう。年々与四死球率は改善されているとはいえ三年間で一番良かった4年時でも4.8%である。プロと大学生では打者のレベルは比較出来ないため、奪三振率はさほど参考にならないと言われているが、投手の制球力そのものを示す与四死球率はプロ後も大きく変化することは無いと言われている。ちなみに与四死球率が4.8%前後の左投手は昨年で言えば、広島・中村恭平(4.6%)、西武・佐野泰雄(4.9%)、中日・小笠原慎之介(4.9%)といった辺りの投手が当てはまる。小笠原や佐野は比較的一軍で結果を残した方だが、基本的には与四死球率と成績は比例するため、四死球率4点台後半の投手は、ほとんどの投手が一軍に定着できていなかった。先発投手として起用されるかリリーフの役割を担うかは現時点では分からないが、セットポジションになるとストレートの球威も落ち、ランナーによってはチェンジアップを要求しづらいケースもあるだろう。どういう投球スタイルで挑むにしても、いかにして与四死球率を改善するかが濱口の成績を左右しそうだ。

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横で投げている今永とは対象的なスタイルであることがよく分かる動画である。大学時代のインタビューを見ると、投球フォームに関しては「いかに力感を無くすか」がテーマだったようで、その日の調子や気分に合わせてフォームも変えていたそうだ。淡々と投げ込む今永の真横で投げていたらどう考えても力むのは仕方ないだろうが、それでも自分の持ち味はしっかり出せているような印象である。

【これからの課題】

濱口には欲張りなところがあって、他人のいい部分を吸収するのはいいんですけど、それをマウンド上ですべて追いかけてしまうところがあります。田中正義のフォークや真っすぐを吸収したいのはわかるけど、全部の球種を一級品にしたがるよりは、自分のスタイルを確立させて、勝つためにどこを磨くかを考えてほしいですね。

(中略)

野球から離れると、気のいい田舎の子。ただ、マウンドに上がると視野が狭くなって、聞く耳を持たなくなります。でも、今年の日米大学野球で、仲間のために声を出す姿を見ると、精神的に成長したのかなと思います。

出典:野球太郎 No.20(廣済堂出版)

神奈川大学時代の監督、古川祐一氏が濱口投手を評した時のコメントである。本人のインタビューでも伺えるが、とにかく気が強く、打者をすべて抑えないと気がすまないところがあるというのが監督の評価だったようだ。奇しくもベイスターズ左腕軍団である今永昇太、石田健大、砂田毅樹、田中健二朗「とにかく気が強い」というイメージである。投手コーチも指導する際に気を使いそうだが、野球に対する貪欲さも持ち合わせているようで、今キャンプでも積極的に周りの先輩投手からアドバイスを受けているそうだ。彼らから吸収できる点はきっと多いだろう。

先程も書いたが、やはり今のスタイルではいずれ壁にぶち当たる時が来ると思う。その時にどうやって壁を壊すかが濱口投手が活躍するかどうかの分かれ道になるだろう。熊原健人は球種を増やすべくチェンジアップの習得を目指しており、福地元春ツーシーム系の球種を今年のキャンプから試している。新たな球種を習得しなくても、巨人・内海哲也のようにストレート主体から変化球主体のスタイルに変更する投手もいれば、楽天金刃憲人中日・小川龍也のようにサイドスロー転向で活路を見出すタイプもいる。プロ野球で速球派のサウスポーが大成するのはほんの一握りだといわれるが、個人的にはサウスポーが大成するか否かは、個人の素質はもとより良い指導者に恵まれるかどうかで大きく左右されるのではないかと思う。

 冒頭に書いた阪神のキャンプで、フリー打撃に登板していた際の投球フォームを一目見て解説者に調整不足を指摘されていた投手がいた。2014年のドラフト1位、横山雄哉である。横山も最速150キロの速球を武器に、鳴り物入りでプロ入りしてきたサウスポーだった。しかし、度重なる故障もあって2年間で一軍の登板試合はわずかに7試合。プロ通算2勝にとどまっている。昨年も肩の故障で戦線離脱していたが、故障も癒え一軍キャンプに抜擢。再起を図りたいシーズンになりそうだが、意気込みとは対象的にフリー打撃の登板では変化球主体の投球内容だった。ドラフト前に動画で見た横山は非常に躍動感のあった投球フォームが印象的だったが、今年のキャンプではどこかスケールダウンしたような印象を受けた。解説者からも苦言に近い指摘がされており、飛躍どころか今後の伸び悩みを危惧されているキャンプを送っているようだ。

プロの壁にぶつかり、自分のスタイルを変えても必ずしも成功するとは限らない。しかし、良い指導者に恵まれれば飛躍のきっかけを掴む時もあるし、悪い指導者に当たると陽の目を見ないままプロのユニフォームを脱ぐ結末となる。これは野球選手に限った話ではないと思うが、ちょっとしたきっかけでプロの成功、失敗は左右されるだろう。濱口にしても、横山にしても、良い指導者や手本になる投手は周囲に大勢いると思う。環境には恵まれていると思うので、飛躍のきっかけを掴んでほしい。

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【キャンプ注目選手】白崎浩之の分析と課題を考える。

あれは2003年だったか。読売ジャイアンツ松井秀喜ニューヨーク・ヤンキースに移籍し、「次の松井秀喜は誰になるのか、と次世代の主砲候補に世間の注目が集まった時期があった。数多くのネクスト・ゴジラ候補が挙げられる中で、いずれは松井秀喜に肩を並べる選手になるであろうと特に期待されていた2名の選手がいた。一人はカープ新井貴浩。もう一人はベイスターズ古木克明だった。あれから15年近く経過した。かたや広島優勝の立役者であり、リーグMVP、2000本安打達成と本当に松井秀喜のような名選手になった新井と、とっくにプロ野球のユニフォームを脱ぎ今はスーツで活動している古木。はっきりと明暗が別れた形だが、思えば「ロマン枠」という言葉は彼らのためにあったような気がする。もしも、古木が2003年以降もレギュラーを掴んでいたら、という妄想を未だにしているベイスターズファンは少なからずいるであろう。それだけ古木克明新井貴浩という選手には、夢や期待が詰まっていたのだ。

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ベイスターズのキャンプが今年も幕を開けた。かつて中畑監督が「目を合わせて挨拶が出来る選手がいない」「声がぜんぜん出ていない」と嘆いた風景は、今は微塵も感じさせないほどグラウンドに熱が入っている。投手陣も初日からほとんどの選手がブルペン入りし、すでに実戦モードの選手もいたようだ。今年は本気で優勝を狙う、ポジションを奪い取る。そんな空気が伝わってきた。

ニコニコ動画でキャンプの映像風景が配信されるようになってからずっとキャンプの様子は見ているのだが、フリー打撃を見るだけでも選手の成長を感じ取ることが出来て面白い。桑原将志高城俊人は一昨年ぐらいから打球の伸びが格段に成長したと感じていたが、今年の桑原は体勢が崩れても鋭い打球を飛ばしている。山下幸輝にしても、乙坂智にしても、今年のフリー打撃を見ていると軸がブレずにずっと打ち続けているのが印象的だった。

その中で、圧巻のフリー打撃を見せていた選手がいた。今年でプロ5年目になる白崎浩之である。元々フリー打撃ではガンガン飛ばす選手だが、昨年のキャンプに比べてミスショットが明らかに減り、パワーだけなら外国人選手かと思わせるだけの飛距離を誇っていた。秋季キャンプまでは左足を上げるようなフォームだった気がするが、昨日の打撃練習では少しフォームを改良している。まだまだフォーム固めを徹底する期間だと思うが、モノになったら一体どんな成績を残すのか。今回は永遠のロマン枠であり、誰よりもソロホームランの似合う男、白崎浩之に注目して分析した。

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【特 徴】

思えば、白崎浩之のプロ初打席はヒットから始まった。代打で結果を残した白崎の勢いに乗せられ、金城龍彦サヨナラホームランを叩き込んだ試合が白崎のデビュー戦だった。「白崎が出塁すると何かが起こる」そんなジンクスがあった時期もあったが、通算13本のホームラン全てがソロホームラン、2016年の得点圏打率.146という数字が物語るように、今では「ベイスターズで最も勝負弱い男」という印象が強い選手になってしまった。

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昨年は自己最多の92試合に出場。代打時における打率は.381と、代打の切り札として活躍を見せた一方で、得点圏打率は.146。チャンスではほとんど打てていなかった。白崎の打席を見てみると、ツボに入った時の打球は天性の物を感じる一方で、選球眼やファールでカットするといった技術に関してはまだ課題があるように感じた。狙い球ではないボールや、際どいコースのボールに手を出して凡退する場面が昨年は多かった印象だ。出塁率から打率を減算した数値で、「四死球によってどの程度出塁したか」を測るための指標であるIsoD(0.07から0.08であれば平均値)は0.03~0.04であり、平均的な打者よりも早めに手を出す傾向のある打者であるといえる。積極的に打つことがいい方向に向かう場合もあり、実際倉本寿彦IsoDが0.029と規定打席到達者で最低の数値だった。しかし、白崎の場合は打席における積極性を好成績に結びつけることは出来なかった。難しい球に手を出して凡退することが多かったのは今後の課題であろう。

ただし、2015年と比較して、三振率(何打席に1回の割合で三振をするか)は4.53から6.34に改善され、P/PA(一打席当たりの被投球数)も3.49から3.83へと上昇している。この2つのスタッツから、打席でボールを見る回数は増えたが、三振する割合は減少し、ゴロアウトなどの凡打が増える割合が上昇した、ということがわかる。一軍での試合経験が多くなり、簡単に三振することは少なくなったが、まだまだミスショットが多かったのが昨年だろう。

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ちなみに、このあたりのスタッツに関してはこの説明が一番詳しく解説されていたので、参考にするといいかもしれない。

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©データで楽しむプロ野球http://baseballdata.jp/

上の図は2016年における白崎の球種別安打割合である。特徴として

①ストレート系の球種(カットボールなど)を苦手としている。

②昨年はチェンジアップがほとんど打てなかった。

と苦手な球種傾向がはっきりしていることがわかる。チェンジアップに関しては、2015年は.385と一番打ち込んでいた球種であり、比較的ブレーキング系の球種に関しては得意にしている傾向があったが、昨年はどの球種にも上手く対応出来なかったようだ。ストレートに関しては2015年も.232と苦戦しており、速球に負けないスイングを手に入れることが飛躍のきっかけになりそうだ。

【今後の課題】

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キャンプでは足を上げてタイミングを取るフォームから、よりシンプルな動きになるよう取り組んでいるようだ。その結果、フリー打撃でミスショットが減った印象だが、このフォームを継続していけば課題である速球打ちにも上手く対応出来るようになるのではないか。

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セ・リーグには白崎の他にも外国人並の長打力を持つ選手が何人かいる。その中でも昨年プロ初の2桁本塁打を放ち、飛躍の年になった中日・福田永将をピックアップし、白崎と成績を比較してみた。福田もプロ初打席初本塁打という華々しいデビューを飾りながら打撃フォームがなかなか安定せず、2軍生活の長い野球人生を送っていた。転機になったのが2015年で、オープン戦から打撃フォームが固定されると、今まで見たこと無いような飛距離の打球を飛ばすようになった。元々捕手だったので、読み打ちするスタイルだと思うが、ツボに入った時はナゴヤドーム上段まで運ぶ力がある。一方で、一年間フォームを維持するのには苦労したようで、昨年の出場試合数は89試合と、白崎とほぼ変わらなかった。

白崎と福田の成績比較で一番差が着いたのはストレートの安打率だった。元々ストレート系の球種には強い福田だったが、昨年は3割を超え、速球打ちに関しては自信を付けたといえる。また、P/PAの数値に関してはほとんど差が無かったが、初球打ちに関しては福田は.275と結果を残していた。2015年は.526と初球打ちに滅法強かった事から、ある程度対策は練られていたと思われるが、初球打ちが得意ではない白崎はこの辺りも課題と言えそうだ。

現状、宮﨑が2軍で調整し、シリアコもまだ実力が未知数だとすると、今の段階では白崎が一番サードのレギュラーに近い存在だと言える。本人も決意のコメントを残していたが、今年は白崎にとってターニングポイントになる一年になりそうだ。新井になるか、古木になるか。今シーズンの白崎浩之には注目である。

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【新外国人】スペンサー・パットン投手の分析と起用法を考える。

あと数時間で2017年の春季キャンプが幕を開ける。沖縄で選手と共にキャンプインを迎える人、ニコニコ動画にかじりついて選手の動向を見守る人、夜のスポーツニュースを楽しみにしながら仕事や勉強する人。楽しみ方は人それぞれだが、去年までベイスターズの選手ではなかった選手が、初めてベイスターズの選手としてピンストライプのユニフォーム姿を見せるこの時期が私は一番好きだ。彼らの加入で今年のチームはどう変わるのか。選手分析を深めていくと自然とキャンプの見どころは増えていく。今年のキャンプはじっくり見ると面白い点がいっぱい見つかるかもしれないと期待している。

新外国人助っ人特集も今回で最後である。クローザー候補として山崎康晃とポジションを争うことになるであろうスペンサー・パットン投手を分析した。

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スペンサー・パットン 1988年2月20日(28歳)

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アメリカ合衆国 イリノイ州シャンペーン郡アーバナ

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人口約4万人の街、アーバナはあまり聞き慣れない地名だが、アメリカ中西部を代表する大学の1つであるイリノイ大学の本部キャンパスが立地しているため、理系のエリート学生が集まる街として知られている。ちなみに、厚切りジェイソンイリノイ大学アーバナ・シャンペーン校卒業生である。イリノイ大学がアーバナの文化の中心であり、美術館、博物館、図書館、多目的ホールに病院、さらには空港までもが大学の所有施設であり、街全体がキャンパスの一部といっても過言ではない。余談だが、クラインの出身地であるコロンバスは人口約78万人であり、相模原市の人口とだいたい同じ規模である。ウィーランドの出身地であるリノ、シリアコエリアンの出身地であるサンペドロ・デ・マコリスは人口約20万人なので、神奈川県でいえば厚木市茅ヶ崎市ぐらいだろうか。パットンの出身地アーバナが人口約4万人だとすると、三浦市南足柄市、寒川町ぐらいの規模と考えたほうがイメージしやすいかもしれない。

 2011年のMLBドラフト24巡目(全体726位)でカンザスシティ・ロイヤルズから指名され、6月12日に契約。一年目のルーキーリーグでは冴えない成績に終わったが、二年目にリリーフ投手として開花し、三年目となる2014年に3Aオマハ・ストームチェイサーズに昇格する。オマハではアウディ・シリアコの兄であるペドロ・シリアコ楽天・ペゲーロらと一緒にプレーしていた。パットンもオマハの主力クローザーとしてチーム2位の登板数を記録していたが、7月になるとジェイソン・フレイザーとのトレードでレンジャースに移籍する。

移籍後は傘下の3Aラウンドロック・エクスプレスに活躍の舞台を移すのだが、ここで前回触れたようにフィル・クラインと出会いを果たす。パットン、クライン、それに元巨人・ポレダはリリーフ投手として活躍していたが、他にも日本球界に縁のある選手が在籍していた。巨人のマイコラスと今年から阪神に加入するメンデスである。マイコラスはこの年メジャーと3Aをいったりきたりしていたが、ラウンドロックでは先発機会6試合で5勝1敗と結果を残していた。パットン、クラインとも成績を見るにセットアッパーとして起用されていたので、アメリカではマイコラスの後を受けて登板していた時もあったかもしれない。シーズン終盤ではレンジャースの選手として初のメジャー昇格を果たし、初勝利含む9試合登板と飛躍の一年になった。

翌年2015年もレンジャースのブルペンを任されることになるが、結果を残すことは出来ず、3Aラウンドロックに降格。この年はクラインだけでなく、阪神藤川球児、今年からヤクルトに加入するオーレンドルフ元日ハム・バースも一緒にプレーしている。3Aではセットアッパーの地位を固めつつあったが、メジャーでは結果を残すことなく11月にカブスへ移籍する。

カブス移籍後もメジャーでは結果を残せず3Aでは活躍する状態が続いていた。とはいえ、3Aアイオワカブスでは自己最多登板となる35試合に登板し、防御率0.75、11セーブとキャリアハイの結果を残していた。チームメイトになった川崎宗則とは仲良くしていたようだが、アイオワカブスには阪神マートンも在籍していたので、日本球界挑戦にあたって色々アドバイスはもらっているかもしれない。パットンが吉野家にハマっていたり、妙な関西弁を披露するようになったらきっと彼の影響だろう。

【特 徴】

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3Aにおける3年間の平均奪三振率は12.9%、与四死球率は3.5%である。比較的この数字に近い選手でいえば、広島・ジャクソン(奪三振率11.7%、四死球3.0%)ソフトバンクバリオス奪三振率11.4%、与四死球率3.6%)といったあたりか。

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昨年のパットンのLOB%(ランナーを背負った場面でどれだけ帰塁を防いだか測る指標)までは調べきれなかったが、防御率1.71、LOB率81.8%と結果を残したジャクソンと散々な結果に終わったバリオスでは成績に大きな違いが出ている。両者で一番差が開いたのは被打率だろう。特にストレートの被打率はジャクソンが.242、バリオスが.438と大きく明暗を分けた。パットンのストレートは.265(メジャーでの成績含む)となっており、ストレートに関してはジャクソン並の威力があるようだ。

一方で、四死球率は3%台、特に2016年は3Aでも3.8%と制球面に課題を残している。例えば、先頭打者を簡単に歩かせてしまうと球威もやや落ちるだろうから、狭いハマスタを本拠地にするクローザーとしては少し怖いデータである。フォームはシンプルな印象で、クイックモーションにも大きな問題は無さそうだ。

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この動画ではほぼフォーシームを投げ込んでいる。ピッチングスタイルは平均球速150キロのフォーシームを中心に配球を組み立て、スライダー、チェンジアップを決め球として空振りを奪う感じだろうか。フォーシームはウィーランドのような綺麗な軌道ではなくやや沈む動きをする。チェンジアップ、スライダーともに被打率はメジャーでも2割台前半であり、日本でも決め球として通用する見込みがありそうだ。メジャークラスになるとフォーシームの平均球速150キロ程では打ち込まれる傾向があり、また、シンカー等の球種でゴロアウトを狙えなかったことがメジャーで通用しなかった要因と考えられる。来日後は平均球速が2~3キロ落ちるとしても、十分ストレートで押せる力はあると思われ、成績的にも広島・ジャクソン並の成績を残す事は予想可能ではないだろうか。

以上から、パットンの特徴としては

①平均奪三振率が高く、与四死球率はやや不安定なため、クローザーよりもセットアッパー向きか。

②やや変化のあるフォーシームを軸に、スライダー、チェンジアップをウィニングショットとして使う。

③GO/AO%を見る限り、フライアウトが多い傾向がある。シンカー系の球種習得が可能であれば、投球の幅は広がりそう。

【今後の課題と起用法】

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2017年のベイスターズのクローザーはどうするか。2015年の状態が戻れば間違いなく山崎康晃で問題無いだろう。与四死球率が大きく悪化し(2015年1.8%→2016年3.6%)、ストレート被打率も悪化している現状だけに、山崎康晃がクローザーで収まるのかどうかはキャンプ、オープン戦の結果が全てになりそうだ。また、パットンがクローザーを務める場合は、いかにストライク先行で勝負できるかが鍵になる。ストレート、変化球ともに威力はあるだけに、ストライクゾーンで勝負していけば自ずと結果は残しそうな気はする。

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昨年は不在だった「ストレートで押すタイプ」のセットアッパーが、パットンの加入で実現した。山崎、三上、パットンそれぞれタイプが違うため、この3人で7,8、9回を任せるのが一番理想の形である。田中健二朗須田幸太藤岡好明といった選手も絡めていけば、リーグ屈指のブルペン陣になるだろう。あとは監督の期待も大きい進藤拓也や、ベテラン大原慎司、林昌範、加賀繁らの復活にも期待したい。

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